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新人アニメ制作進行に捧ぐ! お前が生き延びるための覚書 ──動検撒き前チェックあがりの処理──(P11)
【制作進行の業務フロー編】
──動検撒き前チェックあがりの処理──
(※動画グロスの場合はこの工程はグロス先で行われる。グロス先とよく連携をとって動きをしっかりコントロールしよう)
①撒き前作業して頂いた動検さんに連絡
あがりを回収した旨の連絡
状況の確認(他の仕事の状況など、スケジュール通りに進行できるかを確認)
②素材の制作チェック
素材の確認
素材のミス・ヌケがないか確認(素材入れ忘れ、チェック欄のヌケ……)
リテイクが出た場合原画さん・作監さんへ戻す(失礼にならないように言い方には気を付けよう)
撒き前チェックの内容の確認。
動検さんがどういう仕事をしてくれているのかしっかり見よう。
しっかりした動検さんは、溶けた原画を描き直してくれたり、中割り参考をいれてくれたり、抜けているツメ指示を足してくれたり、後工程に渡す素材として成立していないシートをなおしてくれたりしてます。
スキャンはできればする。(ただこのスキャンデータが必要となる場面が稀なので、状況次第では省いてもいい)
日付の記録
動画撒き前チェックあがりと動画入れの日付を記録(記録のミスないようダブルチェックするべき)
③動画入れ
・動画さんに素材入れる。
(グロス先があればそこへ入れる。なければ営業して撒き先を探す)
設定、動画用紙(紙作業の場合)を忘れずに渡す。
伝票も必ずつける。
(作品自体の参加が初めて人には)動画注意事項も入れる。
会社へ営業することについての話は別述(p58~)。
入れた旨を連絡
入れに関して説明が必要な場合(原画が荒い、中割りが難しい原画になってしまっている、動画枚数が多い、内容が重い)は、黙って渡さずに事前に説明する。
また、もし優先して作業してほしいカットがあれば伝える。
海外動仕に撒く場合、演出・作監には説明して、了承を得ておくとよい。
動検には必ず説明する。(動仕に撒く場合、必然的に動検のセクションを飛ばすことになるので)
私の経験で言うと、海外動仕撒きを演出さんに事前に説明しなかったら怒られたことがある。
たいていの場合、海外動仕のあがりは、国内動画仕のあがりと比較すると、クオリティは著しく下がる。線はヘロヘロだし、中割りは溶ける。原画・シートの指示通りにあがってこないこともザラ。海外動仕に撒くということは、その前の工程で、いいものを作ろうと頑張ってくれた原画さん、演出さん、作監さんたちの努力を、ある程度無駄にすることと同義と言えるかもしれない。
(一方、すごくあがりがいい海外動仕会社もあります。そういう会社をしっかりリサーチし、拘束費を出す等によって動画の撒き先を確保することも重要)
話は変わるが、動仕撒きに関して、「ここまでに原画作監あがりを出さないと、このカットは動仕撒きになってしまいます」と言えば、作監さんへの追っかけの口実にもなる。
あと、「振り向き」があるもの、中割りが多いものは動画が崩れがちなので、そういうカットの原画作監作業を優先し、時間を作って上手な動画さんにご作業頂くというやり方もある。
以上。