
孫崎享著「平和を創る道の探求」
孫崎享著「平和を創る道の探求」読了。
今年4月のロシアのウクライナ侵攻後、日本中が「ウクライナは戦え!」と好戦ムード一色になってしまい戸惑っていたのですが、その中でも孫崎さんは冷静でいてくれて、本書が緊急出版されました。
案内、緊急出版、6月3日発売「ウクライナ危機の「糾弾」「制裁」を超えて 平和を創る道の探求」孫崎享著、かもがわ出版 pic.twitter.com/80pPx6P5AV
— 孫崎 享 (@magosaki_ukeru) May 20, 2022
強いロシアが強大な軍事力を背景に隣国ウクライナに突然攻め入った…と理解している人が多い印象ですが、実際はもっと複雑です。
孫崎さんは国際政治において「妥協」の大切さを説いています。
ウクライナは、「妥協」を知らなかった。
ウクライナは独立し23年である。それ以前は14世紀から何らかの外国支配。ウクライナ人が妥協の技術、更には歴史的視野を学んでこなかったとしても驚きではない。
日本でいえば、東条英機が「妥協」をせずに太平洋戦争でアメリカと戦う事を決断したことで甚大な被害を出し、それでもぎりぎりのところで本土決戦はせずに全面降伏という「妥協」を昭和天皇が選択したからこそ、今の日本がある。
ウクライナも交渉のテーブルについて妥協点を見出すべきだと思うけれど、東条英機のようなゼレンスキーは、国民を破滅に追い込んでいるように見える。
「妥協」について考えた時、宮崎駿監督の「風の谷のナウシカ」を思い出した。
突然、軍事大国のトルメキア軍に風の谷が攻め込まれ、王である父を殺されたナウシカが怒り狂った時、傍にいたユパが止めに入り囁く。
「ナウシカ……落ち着け、ナウシカ。今、戦えば、谷の者は皆殺しになろう。生き延びて機会を待つのだ」
ナウシカは自分の尊厳のためではなく、谷のみんなを守るために屈辱を飲む。
後先考えずに勇ましくあるより、自分より弱い人を守るために「妥協」できる人の方が勇敢なのではないか?(ウクライナが「妥協」した場合、ゼレンスキーは失脚するかもしれないが、国民は助かる。)
私はウクライナが戦いを続けることは支持しない。早く交渉のテーブルにつき、「妥協」して平和になって欲しい。
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