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インベカヲリ☆著「家族不適応殺 新幹線無差別殺傷犯、小島一朗の実像」
インベカヲリ☆著「家族不適応殺」読了。※ネタバレあり。
社会や家庭のひずみは、その場で一番立場の弱い人が引き受けることになりますが、それがかつては子どもだった犯人だったのだな…と思いました。
犯人の両親は不仲、嫁姑問題もあったが、母親はボランティア活動という逃げ場があり、母親不在の家庭で犯人は不遇の子ども時代を送る。
母親からの庇護を感じられずに育った犯人は、国家(司法)を母親に見立て、「絶対に見捨てられない存在」として自分を無期懲役囚にすることを望んだ。
そのための、無期懲役囚になるための無差別殺人。
被害者は全く救われないが、殺人の動機が「母なる存在を求めて」だったこと、犯人との対話でそこにたどり着いた著者はすごいな…と思います。
無期懲役囚になりたくて3人を殺傷した犯人を、希望通り無期懲役にしてしまった司法とは…というやりきれなさは残りました。