表裏一体(その2)
前述しました【表裏一体とバランス】では、オキシトシンの絆意識についてふれました。オキシトシンは、人間にとって”幸せ””愛情"に関わるホルモンでありながら、『仲間を守る』という強い絆意識が働き、別のコミュニティに攻撃的な意識になる場合があり、それが戦争の原因ともなり得る、というわけで2面性がある表裏一体のホルモンである、といった内容です。
この『絆意識』には、例えば戦争や争い事があって、その戦争をしている人々に対して
あなたは、誰を守りたいのですか?
と問えば、
「家族を守りたい」
「仲間を守りたい」
「部族を守りたい」
「集落を守りたい」
「国を守りたい」
で、その人それぞれの範囲のオキシトシンの『絆意識』によって、その範囲より外のコミュニティに戦闘的な意識になる場合があるわけですが・・・
その人達に代わって、その範囲をもっと広げて考えてみましょう。
例えば、
「私は、地球上の人類全てを守りたい」
「私は、地球上の生物全てを守りたい」
「私は、地球そのものを守りたい」
と考えたらいかがでしょうか?
つまり、自分は、家族、仲間、部族、集落、国を全て超えて、人類を、生物を、地球そのものを守りたいんだ、という『より大きな範囲の絆意識』を持ったとしたらどうでしょうか?
もし戦争をしている当事者達が『私は人類を守りたい』という意識になれば、戦争なんてあっという間になくなりますよね?
ですから、もしも全人類が
「私は人類を、そして地球を守りたい」
と思うようになれば、世の中の全ての問題が解決していくのです。
私の言いたいことは、例えた戦争にとどまるものではありません。
オキシトシンにより作用する絆意識が、もし、人類の絆意識の範囲が大きなものになったならば、貧富の格差、飢餓、難民、地球環境問題、地球温暖化など、人類が引き起こす全ての悲しみが解決していく、と思えるのです。
昨今のSDG'Sの掲げる17項目は、初めて人類全体を考えて掲げた目標になるわけですが、『人類を、そして地球を守りたい』という意識が芽生え始めた表れでもあると考えています(もちろん、今現在はごく一部の人間の意識だけにとどまってはいますが)。
そしてこの全ての解決の根源は
人間のオキシトシンの作用の一つ、絆意識というものを全人類がどこまで範囲を広げて考えられるか(一人一人がどこまで広い視野を持って人類の抱える問題に立ち向かうのか、と言い換えた方がわかりやすいかもしれません)
ということに帰着すると考えています。
まずは、これを読んでいただいたあなたが、自分の周囲で起こる全てに対して、絆意識の範囲を広げて考えられる人間になってください。
そうすれば、きっと今よりも世の中は良くなっていくはずです!
時間がかかりますが、それを信じて現世を生き抜いていきましょう。