【映画 #1】 世界の終わりから
先日マツコ会議という番組と、ビジネスコンテンツを配信しているPIVOTで連日拝見した紀里谷和明監督が、"最後の作品"として全てを注いだ映画が上映されていると知った。
写真・音楽・映画など、クローバルにさまざまなクリエイティブに関わってこられた方が"伝えたいことを伝えきったと思える作品"ということで、気になって頭から離れなかったので、近場で唯一上映している映画館に片道1時間半かけて観に行ってきた。
久しぶりに感情が動かされまくったので、忘れないうちに文字にのせて、感情を記録しておきたいと思う。
※備忘録のため作品の内容に触れます。ネタバレNGの方は作品を観てからご覧ください。
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家族もいないしお金もない、何も持たない「自分なんか…」って言葉が口癖の1人の女子高生が「2週間後に世界が終わる」という未来を告げられる。そしてその世界を救えるのは自分だけ。
なぜ自分なんかがそんな大きな使命を背負わないといけないのか?誰にも必要とされてこなかった自分に世界が救えるのか?
家族や大切な人を失い、お金を得るために体と心を売って、学校ではいじめにあって、SNSで誹謗中傷を浴びて…これだけ辛いことがあるのかってくらい苦しみを味わって。。。
なぜ自分なのか?
主人公のハナちゃんは何度も何度も心が折れて、こんな苦しみしかない世界なら終わってしまえばいいって思ってしまう。
でも理由なんて関係ない。
求められているのは、今目の前で起こっている事実を見て自分自身がやるかやらないか。
そしてハナちゃんが最後にたどり着いたこと。
与えられた使命は、この世界の悲しみや怒り、そして愛を未来に伝えること。デジタルだけでは伝えられない、アナログでもいい、人の温かさや想いをのせて未来を生きる人に届けること。
そうしてやっと、同じ歴史を繰り返さないように、悲しみを抱える人の心を救うことができるのかもしれない。
どれだけ頑張っても人間の残酷な歴史は繰り返しているし、その苦しみ(戦争や暴力、環境破壊、自然災害など)からは簡単には逃れられない。
地球が滅亡するくらいショッキングな出来事が起こって、みんながいなくなって初めてリセットされるってくらい、人類の歴史の中でどうしようもできなかったもの。
でも、例え世界の運命がシナリオとして決まっているものだったとしても、ハナちゃんがそうであったように、人の感情が動いた時に未来は書き換えられるのかもしれない。
そうやって感情に本気で向き合うこと、そしてそれを未来に伝えていくことの可能性を提示している作品だったのではないかと思った。