ムーミンがすきになった孤独な中年の戯言
最近アニメの「楽しいムーミン一家」を観ている。
1990年に放送されたものだが、現代の大人が見ても素晴らしい作品になっている。
お気に入りの話で、ムーミン一家が大雨で家が浸水してしまったので、流れてきた「劇場」に仮住まいする話がある。
水が引くまでの間、しばらく漂流生活をしているのだが、その最中にムーミンと恋人のフローレンだけが木に置き去りにされる事件が発生する。
ムーミンパパとママはとても心配する。
当然、この時はまだ家に帰れるかもわからないし、ムーミンたちと合流できる確証なんてまったくない。
でもパパは言う。
「夏祭りだから、乾杯しよう」
そして、笑顔でのんびりとシャンパンかジュースを飲む。
この段階でぼくは「マジか」ってなっているんだけど、迷子のムーミンも相当タフで、流れ着いた先の人の家で言う。
「僕たち、先を急いでいるわけじゃないから、一緒に夏祭りを祝いましょう」
マジかコイツら・・・。急げよ・・・。
とまあ、ムーミンたちは忙しく、気弱に暮らす我々には考えられない感覚で暮らしている。
でも、ムーミンたちはバカで能天気というわけではない。
考えても仕方がないことをうじうじ心配したりしないというだけで、作品を通したメッセージでもある。ムーミンたちは焦らないし、無理をしないだけ。
その証拠として、この作品の最後はムーミンたちと再会するために「できること」をする。
こんな素晴らしい作品に触れてこなかったなんて、と後悔する。
ただ、冒頭でシェアしたDVD-BOXについては、最もムーミンたちが苦手とする「お金」をたくさん払わないと買えないっていう現実については、ちょっと残念だったりする。