見出し画像

【筋膜リリース】数あるリカバリー法が各組織に及ぼす影響

目次

  1. はじめに

  2. マッサージガン
    2.1 筋組織への影響
    2.2 上皮組織への影響
    2.3 神経組織への影響
    2.4 結合組織への影響

  3. スキンストレッチ(IASTM)
    3.1 筋組織への影響
    3.2 上皮組織への影響
    3.3 神経組織への影響
    3.4 結合組織への影響

  4. フロスバンドストレッチ
    4.1 筋組織への影響
    4.2 上皮組織への影響
    4.3 神経組織への影響
    4.4 結合組織への影響

  5. フォームローラー
    5.1 筋組織への影響
    5.2 上皮組織への影響
    5.3 神経組織への影響
    5.4 結合組織への影響

  6. カッピング療法
    6.1 筋組織への影響
    6.2 上皮組織への影響
    6.3 神経組織への影響
    6.4 結合組織への影響

  7. キネシオテーピング
    7.1 筋組織への影響
    7.2 上皮組織への影響
    7.3 神経組織への影響
    7.4 結合組織への影響

  8. 超音波療法
    8.1 筋組織への影響
    8.2 上皮組織への影響
    8.3 神経組織への影響
    8.4 結合組織への影響

  9. 低周波・電気刺激療法(TENS、EMS)
    9.1 筋組織への影響
    9.2 上皮組織への影響
    9.3 神経組織への影響
    9.4 結合組織への影響

  10. まとめ


1. はじめに

近年、リハビリテーションやアスリートのコンディショニング、日常的な疲労回復の手段として、多彩な物理的手技や器具が活用されています。これらは主に「筋組織」「上皮組織」「神経組織」「結合組織」に対してさまざまな生理学的作用を及ぼし、その結果として疼痛の緩和、可動域の改善、リラクゼーションなどの効果が期待されます。
また、各手技はいずれも、機械的刺激を介して局所血流の促進や線維芽細胞の活性化、神経受容体の刺激を行い、組織修復・疼痛緩和・可動域改善などにつながる点が特徴です。本記事では、以下の8つの手技・療法(マッサージガン、スキンストレッチ(IASTM)、フロスバンドストレッチ、フォームローラー、カッピング療法、キネシオテーピング、超音波療法、低周波・電気刺激療法)について、それぞれの作用機序と生理学的影響を整理して解説します。


2. マッサージガン

2.1 筋組織への影響

  • 筋緊張の低下: 高頻度の振動刺激が筋膜や筋内のトリガーポイントに働きかけ、筋の緊張が緩和されます。

  • 血行促進: 振動によって局所血流が増加し、老廃物の除去や酸素・栄養素の供給が促進されることで、疲労回復が促されます。

2.2 上皮組織への影響

  • 皮膚のレセプター刺激: 表面振動により、皮膚のメカノレセプターが刺激され、局所的な血管拡張や感覚変化が生じることがあります。

2.3 神経組織への影響

  • 疼痛抑制(ゲートコントロール理論): 非侵害性刺激が痛みの伝達を抑制し、疼痛の知覚を軽減する可能性があります。

  • プロプリオセプション向上: 深部受容器の活性化によって身体の位置覚や動作制御が向上する可能性があります。

2.4 結合組織への影響

  • 筋膜リリース効果: 高頻度の物理刺激が筋膜や結合組織の滑走性を改善し、柔軟性を高めます。

  • 線維芽細胞の活性化: 機械的刺激により線維芽細胞が活性化し、コラーゲンのリモデリングが促進される可能性があります。


3. スキンストレッチ(IASTM)

3.1 筋組織への影響

ここから先は

3,702字

¥ 500

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?