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CDSで見る日本国債への信頼性
CDSとは
CDSは、クレジット・デフォルト・スワップ・レートを指し、破綻した時に備える保険の保険料率に相当し、リスクが高い対象先(企業や国)の値は高くなります。
CDSと格付け
2024年12月末時点のCDSと格付を、CDSが低い(信頼性が高い)順に並べたものです。
CDSが近い他国と比べ、格付が低いものをオレンジ(過小評価)、高いものを水色(過大評価)で示しています。日本はA+ですが、よりCDSが高い国(UKや韓国)でも格付されているAAくらいでもおかしくありません。逆に、カナダはAAAですが、高く見てもAA-が妥当なように見えます。
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格付:S&Pグローバル・レーティング・ジャパン HP(ソブリン格付リスト)
2024年12月末(一部古いものも含まれます)
日本の国債については、その発行残高の多さから、危険だと言われることがよくありますが、市場ではリスクが高いとは見られていないことがわかります。
日本の格付は実態より低いものとなっていると考えることもでき、CDSが3倍の中国と同じ格付とされていることは何を見ているのだというところです。
為替相場に関連して、過大な国債残高により、通貨への信認が低下し、円の暴落につながるという話はよくありますが、先に見たように国債自体が信認されているのにそうしたことがあるのか疑問です。
日銀の国債引き受け(日銀当座預金増加をもたらす)で、マネタリーベースが増加し、相対的に通貨安につながるということはあるでしょうが。
個人的にも日本国債をそれなりの金額保有していますが、そのまま保有しておいても大丈夫だと考えています。
政策金利上昇の影響
2025年1月、日本銀行は政策金利を0.25%から0.5%へ引き上げ、日本経済新聞(2025.1.26)は「国債、にじむ格下げリスク 格付け大手が財政を不安視」との見出しで、金利上昇による利払増で、格下げの可能性が高まるのではないかと書いていましたが、1月末でのCDSは19.70bpで、先月末の20.25bpから却って低下しています(ほぼ横ばい)。
過去10年以上で見ても下図のようにCDSは増加傾向にはありません。
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政策金利は、来年にかけて0.75%や1.0%への引き上げがあり得るとの見方が大勢のようですが、その程度であれば全く問題視されていないということでしょう。
参考:過去のCDS推移
主な国の過去(2011年12月以降)のCDS推移は以下で参照できます。