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#182 【世界水泳福岡2023】日本人唯一の選手が出場するハイダイビング(クリフダイビング)

2023年7月14日〜7月30日の期間、世界水泳が福岡県で開催されます

世界水泳だけで行われる競技【ハイダイビング(クリフダイビング)】をご紹介します。

男子:27m、女子:20m>という高さから水面に向かって飛び込むスポーツです。ちなみに、男子の27mというのは、9階建てのビルに相当する高さです。


水泳競技のひとつである飛び込みというのは、空中にいるわずかな時間のなかで演技を披露する採点競技です。

◎ハイダイビングとは

通常の飛び込みも競技人口が全国で1,000人前後だったり、
専用のプール(1m、3m、5m、7.5m、10m)が各都道府県1施設あるかないかというマイナースポーツです。
しかし、ハイダイビングは通常の飛び込み競技以上に競技人口も競技施設も少ない競技です。

世界水泳は福岡県内にあるいくつかの場所で開催されます。ハイダイビングは、シーサイドももち海浜公園に特別に設置されたプールになります。
そもそもハイダイビング専用の施設というのがないので、選手は崖や橋、建物などの高所から飛び込むエクストリームスポーツです!

極めて特殊な場所でしか競技ができないので、
大会当日まで本番と同じ環境下で練習することができないという珍しい競技です。

競技人口に至っては、日本には1人しかいないそうです。
その日本国内で唯一のハイダイビング選手・荒田恭兵選手が2023年世界水泳で福岡県で活躍する姿をみてみたいです。

◎2013年の世界水泳から正式競技に!

時速約100kmに及ぶというスピードのなか、空中で技を披露するハイダイビング!!!
あまりの速度と水面の固さから通常の飛込競技と違い、必ずから着水しなければなりません。
空中でバランスを保つ選手のボディバランスからは目が離せなくなります。

一般的な飛込競技については、こちらの記事でご紹介させていただきました。

10m(ビル3階に相当)の飛び込みを見ていても肝が冷えますが、ハイダイビングについては見ているだけでゾッとする高さです。

2013年に世界水泳の公式種目に選ばれたハイダイビング。
元々はハワイの王様が戦士に自らの勇気を見せるために飛び込んだり、
王様に仕えている戦士が勇気や忠誠心を示すために飛び込んだり、
古代ギリシャで行われていた軍事訓練が競技のはじまりだと言われています。

ある種の肝試しや根性をみせるための行為がスポーツになるというのはすごいですね(笑)

また、大会が開催されるときには必ずスキューバダイビングの装備を装着したダイバーが入水地点の付近に待機しています。
そして、競技者は飛び込んで水面に浮上したときに、自らの意識がはっきりしていることをダイバーに示さなければなりません。

20〜27mという高さからの飛び込みは、入水時の些細なミスで意識を失うという危険性があるためです。
万が一、競技者が水面に浮上しない場合、そのダイバーが急いで救助に向かいます。

そのような危険性と隣合わせのハイダイビングの競技者に求められるのは、技術や肉体的な熟練だけではありません。
本能的にビビる気持ちを抑えて、物怖じせずにジャンプするメンタルの強さが不可欠です。

◎日本人唯一の競技者・荒田恭兵選手(27)

日本で唯一のハイダイビングの選手であり、世界水泳での活躍が期待されている荒田選手。
最初は、ハイダイビングへの挑戦について周囲から止められたそうです。

あんな高さ、危ないからやめたほうがいい」と制止されていたそうです。

しかし、周囲の言葉ではなく、自分で確かめてみたいと挑戦を続けていたそうです。

傍から見ていると危ないかもしれないですね。
でも、ちゃんと指導者からの指導や確認をしてもらいながら行うことでその危険性も少なくなるかもしれない。大事なのは、どれだけ準備をしているか。
恐怖で行動をしないのではなく、どうしたら成功するのかが大事です。
恐怖心を積み重ねた練習と自分への信頼、ちょっとした勇気を持って飛び込みます。

◎さいごに

ハイダイビングに限らず、飛込競技に共通して言えることがあります。
頭の中のイメージが「失敗する姿」だと失敗しやすく、頭の中のイメージが「成功する姿」だと成功しやすいです。
まさに、精神力の戦いが如実に出る競技だと思います。

経験したことがない周囲の人からの意見も大事ですが、経験者からの体験を聞くことや自分自身が体験することが本当に大事だと思います。

ともあれ、なかなか経験する機会の少ないハイダイビング(クリフダイビング)。
ぜひ、7月25〜27日に開催されるハイダイビングにも注目してみてください。


◎開催場所
福岡市中央区地行浜2
シーサイドももち海浜公園

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