#152【読書】癒やしとちいさな幸運に気づくマンガ『ARIA』
気づくと、2022年の11月末。
ついこないだはじまったように思う2022年が終わりますね。
2023年はどんな出会いがあるのか、期待と不安が入り混じっています。
今回は、2022年に読んだマンガをご紹介します。
『ARIA』(天野こずえ)
あらすじ
物語は、西暦2300年代の火星アクア。
その惑星にある観光都市ネオ・ヴェネツィアという架空の世界が舞台。
ネオ・ヴェネツィアは地球にあるイタリアの水の都ヴェネツィアから建築物や風習を移転したという設定。
水の都と呼ばれるヴェネツィアをモデルとした観光都市には花形の仕事”水先案内人(ウンディーネ)”があります。
それは、ゴンドラに観光客を乗せて観光案内をするゴンドラ漕ぎです。
一人前のウンディーネを目指して修行する主人公・水無灯里(みずなし あかり)。
彼女が人や動物と交流したり、四季折々の街並みで出会う日常。
空と海と風と癒しの物語
未来系ヒーリングコミック
などと、呼ばれているゆったりとした世界観に浸ることのできるマンガです。
魅力①:登場人物の人柄
水無灯里は、『ちいさな幸せ』をみつける天才です。
マンガの世界だけでなく、現実でも忘れたり、見落としがちな身近にある幸運を教えてくれます。
待ち合わせ相手が遅れたとき
雨が降ってきたとき
占いが外れたとき
練習が上手く行かないとき
季節の変わり目で元気がないとき
いつもの日常が送れないとき
ちょっと不安を抱いているとき
視野が狭くなっていたり、慌てているときにも、実はちょっとした解釈や受け取りを変えるだけで見えてくる幸運があります。
いろんな出来事から見つけられるラッキーがあることを作品を通じて知ることができました。
魅力②:登場人物〜守り神(猫)〜
架空都市にある観光会社には、古くから航海の安全を祈願するために”青い瞳の猫”が大事にされているという設定があります。
そして、作者である天野こずえ先生が無類の猫好きを公言しているため、作中やコミックスの巻末にあるおまけページにも様々な形で猫が登場します。
ファンタジーっぽい要素が込められることも多いですが、猫の奔放さや自由さにも癒やされます。
魅力③:四季折々の伝統と文化
ネオ・ヴェネツィアの風習や季節の風物などが描かれます。
架空の都市という設定をフルに活用して、イタリアの文化と日本の文化が入り混じった世界観が描かれます。
そのため、ネオ・ベネチアだけでなく、旅行したこともないベネチアへの親近感も持つことができます。
日本の伝統や文化の良さを再発見したことも一度や二度ではありません。
温泉やお祭り、食文化、考え方、物事の捉え方、四季折々を楽しむための要素が見つかります。
さいごに
作中を通じて、日常の中にも”ちいさな幸せ”があることを気づきました。
年末に近づいていることもありバタバタと忙しい実生活が増えてきています。そうしたなかで"ちいさな幸せ"があることを探してみるとおもしろいかもしれません。
読書も楽しみながら、2022年も疾走していきたいと思います。