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3日間お湯が出なくなる夏のロシアでの過ごし方
お湯が止まるロシア
「3日間お湯がでなくなる」など日本では考えられないことだ。ドイツだってない。数時間でなくなることはあっても3日止まることはないだろう。しかしロシアでは毎年夏になると数日間連続でお湯が完全に出なくなる期間がある。
宗教的な問題ではない。ロシアの強力な暖房は床暖房と同じように温水を使うシステムだが、5月頃になると暖房が付かなくなる。暖房に湯が流れていかないようにする切り替えをするために全ての湯を止めなければならないそうなのだ。
なぜ数日間も時間が必要なのか全く意味がわからないしどんな時代だよと思うがでないと言われたらなす術もない。
もし冬に止まるようなことが起きたら大量に凍死者がでるだろうからそこに関してはとても慎重なのだろうが、この時期は命の危険はないから悠長なのかもしれない。
しかし意味が全くわからないことは、夏の間に何度も数日間にわたって止まることだ。5月にあの生活を耐えたのにまたマンションの玄関ドアに張り紙があり「6/15-6/17まで湯が止まります」と。
もう暖房の切り替えも終わったのになぜ3日間も止める必要があるのかわからない。この時期にメンテナンスを何度も念入りにして冬に備えるのか。まだ止めることがあるのではないかと思い調べたところ
7月中旬から2週間止まる
という驚愕の情報を目にした。暑いから水でもいいっしょということなのか。その時までには日本に帰れることを願うまでだ。
湯浴び
お湯がでない時のシャワーはとても辛い。水がとんでもないくらいにキンキンに冷たいからだ。氷水レベル。こんなものを浴びるのは不可能だからまずは服を着たままバスタブに頭を突っ込み美容院でやるように冷水で髪だけ洗う。
頭だけだと冷水でも身体が冷え切ってしまうということはない。しかしキンキンに冷たい水だから少し痛くなってくるし、シャンプーの泡立ちも悪いが辛抱するしかない。そうしてとりあえず髪だけ洗ってから身体を洗う。
湯沸かし器を2つ用意し、髪を洗う間に4Lほど沸騰させておく。それからバケツがないから鍋に水をいれ、熱湯でほどよい温度にして浴びる。
桶で一度流す程度の量だ。身体をくまなく洗うのは絶望的なため、足など冷水でも洗えるところは洗っておく。4Lの熱湯があると案外何度もかけることができるが、使い切ってしまうと次に沸くまでに凍えることになるから注意が必要だ。
なんというサバイバル生活。こんなに毎日汗をかく日のなかでシャワーをまともに浴びられないのはつらい。ロシア人はどうしているのだろう。タオルで拭いているだけとかなのだろうか…。
夏のシベリアの夕日
冬の夕日もとてもダイナミックで真っ赤に燃えているようだったが、夏は不思議な色になる。21時半くらいでようやく日が沈む。夏至まで4日か。2020年もコロナであっという間に半分が過ぎた。
写真だと色がよく出ないがもっと紫がかってミステリアスな空だ。
シベリアのシロツメクサ
シベリアにもクローバーがある。4月からずっと生えていたがようやくシロツメクサが生えてきた。素朴でかわいい。シロツメクサと言えば4月のイメージだが随分遅い。もう気温が30℃を超えてポプラの綿も飛びきった頃にシロツメクサが咲いているし、たんぽぽはまだそこら中に咲いている。
そして地面を這うように生える不思議な朝顔のような花も咲いている。蔓のようになっているといえばなっているがなんだか少し違う。
劇場と大学の間の歩道はジャングルのように緑で茂っていて、随分見通しが悪くなった。梅の花を見たのは1か月前のことだが、景色が変わりすぎて驚く。もう木漏れ日ではなくなり、完全な日影になっているようだ。
夏の劇場と噴水
もう夏になり劇場前も賑わっている。アイス屋も出ているし先日はポップコーン屋もでていたらしい。なぜか劇場の玄関ドアが開いていて入ってみたが真っ暗で、警備員が立っていた。何をしていたのだろう。
写真を撮ったところは屋根があり写真スポットになっていて自撮りをする人もいるが、ロシアでよくみるのは「女性がポーズを撮って男がひたすら写真を撮り続ける」というものだ。女の子がばっちりポーズを決めているところを男があーだこーだ言われながらせっせと写真を撮っている。
そんな若いロシア人カップルを眺めながら日本人夫婦は2人で写真を撮る。
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