マラドーナの訃報で、長嶋茂雄の引退メッセージを覚えた少年時代を思い出した
僕は、ディエゴ・マラドーナという人が日本のサッカーファンにとってどんな凄い存在なのかわかっていない。
日本では、サッカーをやっていたか、70年?80年代からの古いサッカーファンでなければ、マラドーナという選手の名前は知っていてもその偉大さまでは知らないはず。
それでも、僕の世代までの日本人なら、アルゼンチンやスペイン、イタリアでの彼の偉大さを想像することができる。
それは「長嶋茂雄」を知っているから。
スポーツ選手の枠を超えたヒーロー背番号3。後楽園球場での引退メッセージの冒頭ぐらいは、当時の日本国民の大部分がそらんじたはず。それぐらい凄かった。
「昭和33年、栄光の巨人軍に入団以来…」
しばらくしてまたあの言葉を聞きたくて、図書館の視聴コーナーに行って、”永久保存決定盤”なる豪華装丁のレコードを借りヘッドフォンで友だちと一緒に聞いたことがある。また小学生だった。
昨年11月、観光シーズンではない南イタリアを旅した時のこと。
ひとけのないナポリ沖の島の街部を歩いていたとき、大型テレビでサッカーの試合を流しているカフェがあって、覗くとマラドーナ選手がプレーする試合映像を大音量で流していた。
80年代後半に活躍して”ナポリの王様”となったセリエSSCナポリのマラドーナ。
30年以上経て、今なお日常に溶けこんでいた。