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「対馬の海に沈む」

人口3万の島、対馬で起きた農協史上最大の横領事件。

総額22億円という金額の大きさより、自殺した容疑者が全国No. 1セールスマンの地位が長かった有名JA職員だった衝撃。容疑者が契約した保険商品などの顧客数は島民人口の10%に相当しているらしい。

容疑者の死で浮かび上がった魔訶不思議な状況を黙認してきた組織と個人と、共犯関係にあった組織と個人。
長文の取材レポートを読み終えたような読後感。感情移入を演出しないのが作家の意図か。

組織の腐敗とかムラ社会の暗部というより、何処にでも誰にでも潜んでいる哀しみのようなやり切れなさを思った。


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