「百年の孤独」
金銀系が錆つき、濡れた衣類にサフラン色の苔がはえた。
魚がドアから奥へはいり込んであちこちの部屋を泳ぎまわり、窓から外へ抜けられないくらい、空気は水をふくんでいた。(363ページから引用)
世界的なベストセラーで南米文学を代表する、ガブリエル・ガルシア=マルケスの長編小説「百年の孤独」を読み終えた。
架空の村を舞台にした大河もの。
数えきれないエピソードの連続。その多くは脈絡もなければ予定調和からも遠い。
胸を張って読破した、と言える気がしない。
あらすじも解説もこれ以上表せそうもない、体感したことのない不思議な読書だった。
難解かと聞かれれば、そうかもしれないけど、文体は易しいし、上に書いた一節は抽象的だけど、総じて明瞭な書き方の”事柄”が綴られている。
ただし、正直なところ「なんだかわからない」が最後まで続いた。
野性的な表現や混沌。
確かにラテン世界の文学なのだろうし、小説というより芸術作品という地位なのかなとは思うな。
いつか1日中読書をしていても構わないような日々を迎えたら、また読むことになりそうな気がした。
これから読もうかと思っている人には
「ぜひ格闘してみてください」
そういう感じ。
ちなみに僕がこの本を読むきっかけは、数か月前にあるバーで職場の後輩から「『百年の孤独』読んでいないんですか?」と言われたこと。
読んだぜ。