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僕に刻まれた「東洋のハワイ」は。
旅はタイミングといきおい。目的も行き先も考えすぎずに決めてしまうのがいいと思っている。
福岡行きの予定に合わせて、1960年代東洋のハワイと呼ばる温泉観光地だった指宿を拠点にして枕崎、知覧などを周ってきた。
脚やらいろいろ不自由を抱え外出もおぼつかなくなった80代の両親の60年前の新婚旅行先が指宿。めっきり会う機会が無くなった両親との話題も欲しかった。
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出かける1週間前、数年ぶりに両親を誘って外食ランチを共にすることができた。
お酒好きには足りないはずの小さなグラスに注いだランチビールに「美味しい」を連発した父。宴席でお酒を口にしない母も「本当は好きなのよ」とビールを飲み干した。感染対策などで息の詰まる月日から開放されたひとときだったようだ。
僕は「来週指宿に行くんだ。新婚旅行で行ったんだよね」と話題を供したのだけど話は広がらない。
指宿の思い出を引き出そうとしたら、父は「あれはどこの温泉だったかなあ?」と幼い僕と母が写った伊豆熱川の旅館の話になったり。
楽しいランチになってよかった。
そして、予定通り指宿へ行ってきた。
初体験の砂蒸し風呂や引き潮に歩いて渡り展望台まで昇った知林ヶ島。これまで感じたことがないぐらいの山の存在感、開聞岳。
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だけど、また両親を誘って土産話ができるのはいつになるかわからない。