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個性豊かすぎる、わたしの通う心療内科の先生 〜ギャルとクールビューティと濃霧注意報 〜

現在、適応障害で休職中である私は、
ストレス  というか、なにか  ドス黒いもの  を、我慢するだけ我慢し、突然はち切れてしまったのだと思う。

*詳細はコチラ↓


そのため、わたしの場合、適応障害の症状が現れた途端、急速に症状は悪化していった。
月曜日には「朝、布団から出るのが億劫になった」のが、金曜には「会社に入ると途端に吐き気を催す」ようになっていた。

そんな状態だったため、とにもかくにも心療内科に行くことが急務で、とにかく手当たり次第に病院を調べて電話をかけた。
その結果、「翌日」の予約が取れる心療内科を選択した。


このご時世、心療内科の予約はだいたい何処も、1カ月近く先まで埋まっているものだが、私が通院している病院は前日でも空いていた。

当然、それだけ予約が空いているのには理由があって、わたしは初診の時に全てを察した。

しかし、結論をいうと、わたしは今の病院が割と好きになっている。

そこで今回は、わたしがこれまでに出会った、
愉快な先生をすこしだけ紹介したいと思う。


1. ギャル❤️先生

わたしが初めて心療内科にかかった時は、
「すでに心が死んでいて何も感じなくなっていた時」
だった。土日はずっと空中を見つめていたし、子どものことも「可愛い」と感じなくなっていた。

そんな私でも、初診時に、診療室で出迎えてくれた
お目めバチバチ、ロングネイルを装備した『イケイケのギャル❤️
を目にした時は、割とたまげた。

おそらく、暗黒面に落ちていた私の瞳に、ちょっとばかしが宿ったことだろう。
それはもう俯きすぎて、地面と常時コンニチワ状態だったわたしの顔が強制上昇させられるのを感じた。ギャル先生の上まつ毛の急上昇なみにアゲアゲだ。そのまつ毛、武者返し(*熊本城の石垣)リスペクトか?

まあ初診の時はそのアゲアゲもすぐにサゲサゲになってしまうくらい負の引力は強かったので、その驚きは顔には出ていなかったと思う。たぶん。

しかし、見た目はギャルであるが、会話してみると、ギャルマインド❤️を感じるその先生との会話は、けっこう心地よかった。

たとえば、
--
ギャル先生
体調、どうっ!!?


わたし
デエビゴを飲むと、起床してからも朝方はずっと眠いです。。

あと夜中は『画鋲だらけの会社を裸足で逃げ回る夢』を見て、起きちゃうんですよね。。


ギャル先生
アハハー!デエビゴって悪夢みるっていうもんね!

ま、私もデエビゴ飲んでるけど、
悪夢は見たことないからヨクわかんないなっ⭐️
そしたら、中途覚醒を抑える〇〇も試してみよっか!
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だろうね、その明るさは悪夢の方から願い下げだろうよ。なんかもう悪夢だったのが無理矢理、明夢に変換されそうだもん。明夢ってなんだ?

しかし、この「ネガティブ方面な話をしても、決して変に同情することなく、必ずポジティブに返してくれる」というギャルマインド❤️が、私には合っていると感じている。ただし人を選ぶし、心の状態が地面と同化するくらい落ちている病人にはシゲキックス並みに刺激が強すぎるが。

おまけに、
実際、ここで出してもらった薬を追加したところ、悪夢を見ることはなくなったのだ!

腕もたしかなギャル先生、かっこよすぎである。
そしてネイル長すぎてPCで文字打ってはデリートしてを繰り返す姿は、最高にキュートだ!
カタカタカタ(文字入力)→カカカカカ(消す音)→カタカタカタ→カカカカカ→ ……



2. クール・ビューティな女医

私が通院している病院は担当医制ではないため、その時々によって診療してもらう医師が変わる。

2人目の先生は、通院し始めてしばらく経った頃に出会った。
「今日もギャル先生かな〜」と、思って診療室に入ったところ、
『黒髪ショート。クール・ビューティ  な先生』
がそこにはいた。ギャルとのギャップよ。

とした雰囲気を醸し出していて、おまけにハスキーなイケボで淡々と質問してくる。
でも所々で、気遣いの言葉もかけてくれる。

ギャル先生然り、この病院は人選が素晴らしい。院長の趣味か? もしそうなら院長にノーベル賞を与えてほしい。イグノーベル賞だろうけど。
しかし私はもうこの時点で、ちょっとこの病院のことが好きになっていた。

そして極め付けは、私のちょっとした話で、クスッと笑ってくれる笑顔のギャップに、わたしは完全にやられてしまった。さながらラブコメのヒロインだ。なんて言うタイトルですか〜?わたし、全巻大人買いしまーーす!

いま思うとこれが決定打だったのだろう。
私は、多少ふつうの病院とは違うかもしれないが、この病院に通院し続けることを決めた。(どんな理由だ)


3. モイスチャーな男性医師

何度かクール・ビューティ先生との診療を重ねるうちに、だいぶ打ち解けて、彼女の笑顔を高頻度に引き出せる回数が増えていた。(彼女の笑顔を引き出してどうする。ギャルゲー攻略中か?)


そして、昨日。また新たな先生と出会った。

診療室のドアをノックをして、

「どうぞ〜」  との声が聞こえる。

その声色から、

(お、今日は男性かな?) と考える。
ちょっとテンション下がったのはナイショ。

ゆっくりと診療室を開け、医師の姿の確認を試みる。が、そこには医師の姿がほとんど見えなかった!

代わりに、部屋に白い煙が充満している!
そのせいで見通しがすこぶる悪いっっ!!
「扉を開けたらそこには異世界が広がっていました」、という出だしのアニメがあったら、まさにこんな感じだろう。



びっくりした私は、割とデカめの声で、

うわっ、火事ですか!!?

とアホなことを聞く。冷静に考えて、んなわけないのだが、見通し悪すぎて思考も何もあったもんじゃない。

しかし先生は落ち着いた声で、

いえ、加湿中です。

と答えた。

カシツ……カシツ…………       過失!!? 
あなた犯人ですか!?

とカシツの言葉の意味を一瞬探るが、すぐに部屋の奥のほーーに、"加湿"器らしきものが見え、上部からモックモックと止めどなく煙もとい水蒸気が出ているのが見えた。

どうやら、加湿のしすぎで診療室内が 濃霧 になっていたようだ。そんなことある? 濃霧注意報発令したが良くなくない?
むかし、実家にいた頃、早朝に立ちこめた濃霧の情景を思い出していた。もしくは深い深い森の中みたいな。あんな感じである。どんな感じだ、ここは病室だぞ。と、現実に引き戻される。

当然、診療もこの中で行われた。

「顔色良いですね!」 と言われた時には、

(私からはあなたの表情が見えませんけど!?
私の顔見えます?? 顔色、真っ白じゃないですか??)

と訝しんでしまったが、まあ良い。先生には見えていることにしよう。きっと特殊な訓練を積んで、「霧の呼吸・壱ノ型・濃霧視覚」を身につけて、この視界不良でも先を見通せる力を身に付けたに違いない。きっとそうだ。と、私の心は幾ばくかの先行き不安を抱えてこの日は診療を終えた。


わたしは、個性豊かすぎる、この病院が好きだ。

心療内科への道のりは、どうしても暗くて億劫で、なんだか「社会からの断絶」を感じがちだ。しかし、この病院からは楽しみと明るさをほんのり感じることができる。

ちなみに、昨日病院に行った時には、他の診療室にはまだ出会ったことのない医師の名前札が掛かっていた。まだ見ぬ先生がいることも、私の楽しみの一つになっている。

通院を終えるまでには、ぜひ全員の先生とお話してコンプリートしたいものだ(してどうする)。きっとその時には、どんなに濃霧でも誰もがはっきり分かるくらいの最高にクールな顔でギャルピースできるくらいには、私のココロも回復していることだろう。



おわり



ギャル先生はいつも『リンツのチョコ』を美味しそうに食べている。
そういうところも、なんか良いな〜と感じる。

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