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【歌集・短歌】令和六・十・十

武内が 捨てた弓矢が たまきはる
宇治に浮かべば 皇子(みこ)の魂(たま)吸う

弦切れた 弓の散りたる 戦場(いくさば)も
跡形もなく 年月還る

麁鹿火の 射りた弓矢が 磐井討ち
大斧振りて 血ぞ川になる

利仁や 田村と交じりて 時は経ち
武勇しられて 事績や狂う

下毛野が 坂田になれば 鬼斬れる
力を得れと 人を外れる

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