【viva不登校】第7話 「幕開け」
「始まり」は突然に
子供たちと過ごした夏休みも終わり、正直ホッとしていた。「今日からは日中は子供たちは学校、自分も今日は自宅でゆっくりと仕事が出来そうだ。」そんな想いを持ちつつ、息子とともに朝食のテーブルについていた。
「夏休みの宿題、忘れちゃダメだよ」
冗談交じりに息子に話しかけると、コクリと頷く。いつもと変わらぬテンションに見えた。登校時間が迫り、いつものように友達のI君がベルを鳴らす。
「I君が来たね、いってらっしゃい。」
いつもなら、元気よくランドセル片手に階段を駆け下りるところだが、息子が固まっている。
どうした?カチコチだ。フリーズだ。
「大丈夫?I君が待っているよ、ほら、行かないと。」
私も少し苛立った感じで声をかける。
未だ固まっている。
どうした?カチコチだ。フリーズだ。いや、もう「無」だ。そこには清々しいくらい何も無い。
取り敢えず、I君には先に行ってもらうことにして、息子に何が起きているのか?把握しようとした。
息子曰く、「お腹が痛い」。その日は休ませることにし、ゆっくりと過ごす。そして翌日再び。
鮮やかに「無」である。
そして、「無」からの「腹痛」からの「トイレ閉じこもり」である。ここから1週間、無限ループとあいなりました。
暴発した「父親」
今からお話することは、あの時から1年経った今、最大の反省として、胸に刻んでいることである。前述の無限ループが続く中、朝の親の苛立ち、いや、父親としての私の苛立ちも最高潮に達していた。
「息子が学校をサボることはいけないこと」
自分の中で呪文のように繰り返していた。ついに暴発した。いつものようにトイレに閉じこもる息子を無理やり引き摺り出し、着の身着のまま、首根っこを掴み、家を出た。泣き咽ぶ息子は私の目には入っていなかった。書いていてその頃を思い出す。ちょっと辛くなってきたので、次回落ち着いて書くとする。
viva不登校。