インターネットを閉じたんです
自分はこの世界の全てを信じていません。
だからインターネットを閉じたんです。
具体的には、1週間ほど。
インターネットに繋がっていたら、悪い情報が沢山入ってくるんです。
具体的には、呪術廻戦・最終回のネタバレとか。
そう、呪術廻戦・最終回が9/30発売のジャンプに載るんです。
でも毎週のように木曜日辺りからネタバレ画像が出回るもんだから、自衛のためにオフライン生活をしました。
ここ1年の自分がnote以外のSNSで浮上しなくなった理由の1割程度はこれかもしれません。
ユーザーが好きな物の最新情報をオススメしてくるSNSのアルゴリズムは、ネタバレすらも勧めてくる。あまりにも相性が悪すぎる。
ジャンプを早売りしてる店ってまだあるし、印刷所から流通までの経路でリークする人がいるんですよ。
そんでもって、発売前にそれがトレンド入りしちゃったりするんですよ。
SNSの通知は全てオフにして、GoogleアプリもYouTubeも不意な情報源すぎて信用できないので、それらのアイコンはホーム画面のタップし難い位置に移動。
なんならLINEすらも通知を切ったので、何かしら連絡があったとしたら電話で聞いてくれと身の回りには伝えてあります。
唯一、生存報告義務として課し続けたnoteの更新をする時だけは目を閉じながら記事の下書きの画面まで進めますが、noteの通知も切っていました。
恐らく、インターネットに触れる瞬間はここだけ。
不便は不便でしたが、この生活は何よりも楽しかった気がします。
元々、毎年秋頃には現実世界の趣味や交流に没頭しすぎてSNSの更新が完全に止まるような傾向があり、フォロワーから見た場合、実質的に「失踪癖」となっている状態みたいなものはあったのですが…。
前述の通り、ただジャンプのフラゲ情報を避けるだけなら木曜を前に情報を遮断すればいいだけなので、それ以前から前倒しする理由がありません。
正直なところ、この擬似的なデジタルデトックスを本当に楽しみにしていたんだと思います。
きっと呪術廻戦の最終回云々は情報遮断をするための口実に過ぎません。
なんか始める前から旅行前夜みたいな気持ちでいっぱいでした。
久々にテレビ点けたら、知らないうちに次期総裁も決まってて、ウケちゃった。
なぜかその時、体の芯から名前の無い快感が駆け巡りましたね。
意図的に情報を遮断して、選択的情報弱者となる事。
遮断していた情報を一気に摂取させられる事。
それがこんなに気持ち良いなんて。
この喜びを知ってしまったので、本当に癖になってしまいそう。
その昔、密室で外界の情報を全て遮断された生活を送るテレビ番組の1企画、「情報原人」というものがありました。
電波少年の「懸賞生活」とかの亜種ですね。
その企画に参加した芸人は壊れてしまいましたが、あれになりたいのかもしれません。
何なら、自分はそうして壊れたいのかもしれない。
こうした「戦後に帰国した残留日本兵」的な情報のショックをもっと受けたい。もっと長い時間、情報の遮断をしたいという願望は確実にあります。
その末に「サイゼは初デートでアリかナシか」という、SNSで繰り返し議論されるカビとホコリに塗れた話題を切り出して、未来の若者から「サイゼって何?」と返されたい。
その時、自分は快楽の衝撃で死んでしまうんじゃないだろうか。
コロナ禍以降に初めてサイゼリヤに訪れた際、注文方式が変わっていた時も、その小さな衝撃に打ち震えた事を思い出します。
やっぱり情報原人になりたいんだ。