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気分の上下に振り回されて

仕事中突然、家に帰りたくなった。

家と言っても下宿先で、下宿先の布団に逃げ込みたいという気持ちでいっぱいになってしまった。

その日私は朝から聴覚過敏がひどく、個室のようなスペースにこもって仕事をしていた。

午前中までは黙々と仕事ができたが、通院のため休んだ分の仕事がうまく引き継ぐことができず、頼んだ人にめちゃくちゃにされて落ち込んでいた。いや、余計なことしてくれたなと軽く怒りも覚えていた。

私は手順を大事にする。というか手順通りにやっていないと軽くパニックを起こす。
仕事を依頼した同僚は、手順を踏まず、適当に仕事をこなしていた。

それは、例えるなら郵便物を、ハサミやカッターで開封せず、手で汚く開いて手渡してくるような感覚だ。

私はその手順の汚さに憤慨し、悪態をつきながら仕事をしていた。

その仕事が終わった途端、ぼろぼろと涙がこぼれた。

「帰りたい」
「ここにいたくない」

いとも簡単に心の平穏は保てなくなり、しばらく声を押し殺して泣いていた。

「帰ろう」

仕事はひと段落ついて、最低限のことはできていた。
頭の中はとにかく早くここを立ち去って帰ることでいっぱいだった。

上司にメンタルダウンが起きたので早退すると告げ、私は早退した。

きっと普通の人なら堪えられる感情なのだろう。だが、私にとってはもういてもたってもいられない強い衝動で、帰らなければもっと悪化して、帰ることすらできなくなっていただろうということだけはわかっていた。

それだけ強烈な感情がときおり私の中にやって来る。
その感情には抗いがたく、感情に流されるまま行動するしか解消の方法がない。

気分転換も効かず、ただただ、辛さから、苦しさから、罪悪感から、逃げ出したくて行動するしかない。

家に帰ると今度は早退したことに対する罪悪感がやってきて、私を責めた。

ちゃんと仕事ができなくてごめんなさい。

誰に言うともなくそんな言葉を何度も何度も呟いて泣きじゃくっていた。

結局1時間ほどその感情に支配されて行動して泣いていた。

私はときどき、このような感情に突き動かされて行動してしまう。

感情に振り回されないよう、色々と試しているが、特効薬はまだ見つかっていない。

次はいつこんな強い感情に支配されるのか。恐れを抱きながら今日も会社へ向かう準備をする。




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トモノリ
リラックスするためのお香やコーヒー、お茶代、学ぶための書籍代にします。 応援していただけると嬉しいです。 お礼は直接できませんが、日々良い文章を書いていこうと思います。