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読書要約&レビュー『人生の99%は思い込み』

こんにちは。tomoniです。
ページを開いてくださり、本当にありがとうございます。
このページでは、鈴木敏明氏による著書「人生の99%は思い込み」のレビューと要約をしていきます。
ぜひ、最後まで読んでくださると嬉しいです。



著者

鈴木 敏昭 
◎1950年東京生まれ。教育学修士(京都大学/1980年)。
◎77年横浜国立大学教育学部卒業後、80年に京都大学大学院教育学研究科(修士課程)修了。85年に京都大学大学院教育学研究科(博士課程)単位取得満期退学。その後、四国女子大学家政学部助教授などを経て、96年より四国大学生活科学部教授。
◎専門分野は心理学。「自己意識の構造」が最大テーマ。その主な下位領域として自尊心、性意識、思い込み、人格形成などを研究。
◎中学2年のときから「自分とはなにか?」に関心があり、以来ずっと「自分」についての研究に没頭している。
◎日本心理学会、日本発達心理学会、教育心理学会、日本社会心理学会所属。著書に『自己意識心理学概説』(北樹出版)、『自己成立の発達心理学』(ふくろう出版)、『思い込みの心理学』(ナカニシヤ出版)などがある。

"鈴木敏昭 | 著者ページ". ダイヤモンド・オンライン

1. こんな人におすすめ

➢ 自分の考え方に疑問を持っている人
   なぜ自分はこう思うのか?
   本当にこれが正しいのだろうか?
   周りとの意見が合わないのはなぜ?
➢ 固定観念にとらわれやすい人
  
新しい情報を受け入れにくい
   同じような失敗を繰り返してしまう
➢ 人間関係で悩んでいる人
   
人とのコミュニケーションがうまくいかない
   誤解されやすい
   いつも同じパターンの人間関係を繰り返してしまう
 自己成長を目指している人
   もっと自分らしく生きたい
   潜在能力を引き出したい
   人生をより豊かにしたい
➢心理学に興味がある人
   人間の心の働きに興味がある
   自分の行動原理を知りたい

2. 概要

本書は、タイトルの通り「人生の大半は思い込みでできている」ということを、心理学を専門とされている鈴木敏昭先生が書かれた自己啓発書です。

本書では、人生がうまくいかないのは自分で書いた人生脚本(思い込み)のせいであり、人生脚本(思い込み)は自分で書き換えられるということが書かれています。

本書を通して、私たちの「性格」や世間の「常識」も含めて、この世の99%は思い込みでできているということを理解することができます。
また、その「思い込み」を外すための方法について、「思い込み」が作られる原因や思考のゆがみのパターンとともに解説されています。

では、さっそく要約を見ていきましょう。

3. 要約

 第1章 人生は「自分で書いた脚本」どおりに進む

本章では、「うまくいかないのは、自分で書いた脚本のせい」ということが事例とともに述べられています。

人生脚本とは
交流分析(※)で著名なエリック・バーン氏が提唱した「心理的プログラム」のことで、人は無意識に、深層心理の中で人生の脚本を書いているという意味。人は、自分についてある思いや信念を抱くと、無意識にそれに合うように行動してしまい、結果としてその信念は現実化するという、いわば「人生の予言書」

※交流分析…人間関係やコミュニケーションの傾向を理解し、改善や自己実現を図るための心理療法のこと。

人生脚本ができあがるまで
人生脚本がつくられる時期は、主に「幼少期」であり、「~してはいけない」という「禁止令」や、「~をしなさい」と行動を駆り立てられる「ドライバー」によって人生の「基本的な構え」が生み出され、これらが揃って人生脚本が出来上がります。
また、こうして出来上がった人生脚本を前に進めるものを、「ゲーム」と呼んでおり、自分の人生脚本が正しいということを証明するために、無意識のうちに脚本に沿った行動をとることを指しています。


人生脚本がつくられる時期:幼少期
人生脚本の構成要素:禁止令によって生み出される構えやドライバー
人生:脚本に沿ったゲーム


禁止令とは
言語や非言語メッセージによる「~してはいけない」という命令

1. 「何もするな」「実行するな」
2. 「お前であるな」
3. 「子どもであるな」
4. 「成長するな」「親から自立してはいけない」
5. 「感じるな」「感情を表に出してはいけない」
6. 「考えるな」
7. 「近寄るな」
8. 「成功するな」
9. 「自分のことで欲しがるな」
10. 「健康であってはいけない」
11. 「重要な人になってはいけない」
12. 「所属してはいけない」「仲間入りをしてはいけない」
13. 「存在するな」

人生の基本的な「構え」とは
禁止令によって生み出される「世界の捉え方」

1. 「私もOK、あなたもOK」
2. 「私はNG、あなたはOK」
3. 「私はOK、あなたはNG」
4. 「私はNG、あなたもNG」

ドライバーとは
心理学者のテイビ―・ケーラー氏によって名付けられた心理学用語で、言語や非言語による子どもを行動に駆り立てるメッセージ
1. 完全であれ
2. 喜ばせる
3. 努力せよ
4. 強くあれ
5. 急げ

ゲームとは
人生脚本を成立させるためにとる無意識の行動であり、人生の基本的な構えが正しいということを確認し、その世界観を証明するための作業

1. 自滅(自罰)のゲーム「どうせ私はダメだから」
2. 攻撃・他罰のゲーム「土下座しろ!」
3. 責任回避のゲーム「私は悪くない」
4. 競争のゲーム「オレは昨日も徹夜」
5. 他者支配のゲーム「あなたのために言っているんだ」
6. 復讐のゲーム「この恨みは絶対に晴らす」
7. 依存のゲーム「なんで返事くれないの?」

 第2章 人生脚本は多くの「思い込み」でできている

本章では、「思い込み」が人生脚本を成り立たせていて、人生のほぼすべてを支配しているといってもいいと書かれています。

では、なぜ人は「思い込む」のでしょうか?

それは、思い込むことで、無駄な思考を省き、より効率的に生きられるからです。

そして、「自分」という存在も含めて、この世は思い込みだらけであり、自明に思えることでさえ、思い込みの余地は大きく、思い込みがこの世界をつくりあげているといってもいいと述べられています。
また、思い込みを形成するものとして「認知バイアス」について紹介されています。

思い込みとは
合理的な根拠がなく、あるいはしばしば誤った根拠に基づいて、それと自覚せずに断定・確信・前提としている心の働きのことであり、「かけていることすら気づかないメガネ」のようなもの。
思い込みの根拠(根拠すら思い込み)
1. 科学的・客観的データ
2. 地位や肩書
3. 常識や世間体

認知バイアスとは
人間の思考や判断に影響を与える心理的な傾向や偏り
認知バイアスによって思い込みが生み出され、増強されていく。
1. 決めつけ思考
2. 欲望
3. 感情
4. 自己意識

 第3章 人生を支配する「思い込み」の正体

本章では、思い込みをつくる外的要因とともに、思い込みのもととなる思考のクセである「自動思考」、そして、思い込みを突き止める方法について解説されています。

うまくいかないという人生脚本に基づく「ゲーム」を変えるためには思考のクセ(ゆがみ)をみつけていくことが大事です。

思い込みをつくる4つの外的要因
1. 家族
2. 教育
3. 会社・職業
4. 社会常識

自動思考とは
ある状況や出来事に遭遇したときに、「なんとなく、そう思う」という思い込みのもととなる思考のクセ。
自動思考は、自分の意識でコントロールすることが非常に難しく、起こる状況は人それぞれであり、そこから思い浮かべるものも人によって異なる。
1. 白黒思考・全か無か思考(完璧主義)
2. 過度な一般化
3. ネガティブフィルター・マイナス化思考
4. 結論の飛躍
5. 拡大視と過小評価
6. 感情的決めつけ
7. すべき思考
8. レッテル貼り
9. 自己関連づけ

 第4章 「思考のゆがみ」はこうしてなおす

本章では、思い込みの元となる「自動思考」から抜け出すための方法として「認知療法」が紹介されています。
また、認知療法によって、思い込みからの脱却を試み、思い込みへの対処法を身につけることで、いずれ自分の思考を自由にコントロールできるようになり、思考の歪みを強制することで、自分らしく生きられるようになると述べられています。

認知療法とは
人の物事の捉え方を変える心理療法。

 第5章「思い込み体質」の根本的な治療法

本章では、より根本的な思い込みの治療方法について解説されています。
思い込みを元から治療するためには、人生の構えを修正する必要があり、構えを修正する上で、ポジティブなストロークが効果的だと言われています。

ポジティブなストロークとは
交流分析の用語で、相手からの愛情のこもった言葉、声かけ、または態度や動作のこと
※交流分析…人間関係やコミュニケーションの傾向を理解し、改善や自己実現を図るための心理療法のこと。

 第6章「思い込み」を利用して「人生脚本」を書き換える

本章では、「ポジティブな自己暗示」という思い込みを利用することで、問題を改善したり、自分の性格を変えたり、また目標を達成することもできると述べられています。
また、性格を変えるための方法について、「行動を変える」「誰かのふりをしてみる」「環境を変える」「服装を変える」ということが紹介されているとともに、人生脚本を書き換えるための具体的な方法として「インナーチャイルド」との対話について解説されています。
幼い頃の満たされなかった気持ちや辛かった経験によって傷ついたインナーチャイルドを、対話を通して癒すことが人生脚本を書き換える上で重要だということです。

ポジティブな自己暗示とは
実現したい目標を達成した状態を出来るだけ具体的で鮮明にイメージし、脳にインプットする行為。

インナーチャイルドとは
心理学用語で、大人になっても心の中に残っている幼い頃の自分

 おわりに 「思い込み」を自覚しつつ、「思い込み」を遊べ

 本書の最後には、人生の大半が思い込みでできているのだとしたら、その「思い込み」を自覚し、理解することで、「ごっこ遊び」を楽しむように、人生のゲームを楽しめばいいと筆者は述べています。人生は事実によって決まるのではなく、「認知」によって決まるということです

4. 感想とレビュー

本書を読み進めていく中で、私自身にあてはまることが多々あり、ぐさぐさと心に言葉が刺さっていく感覚がありました。
これまでの私であれば、本書を読んでも、変なプライドが邪魔をして自分が思い込みまみれであるという事実を受け入れられなかったかもしれません。

ありのままの私でいよう、いたいと思えている今だからこそ、この本に書かれている言葉をようやく自分事として自分の中に取り入れることが出来るようになった気がしています。

でも、この「ありのままの私」というものすら「思い込み」なのかもしれませんね…。

私がとくに本書において共感した内容は、おわりに書かれていた「人生は事実によって決まるのではなく、「認知」によって決まる」ということです。

本書を読んで、なぜ私が幼少期に他の人からみると辛いと思う経験をしてきたのにもかかわらず、自分自身ではそこまで辛いと思っていなかったのかがわかった気がします。

今思えば、私は自分の認知、すなわち事実の捉え方ということだけは、自分で決められると自然と思っていて、どんなことがあっても自分の心持でプラスに考えていくことができるという信念のようなものがあったんだと気づきました。

だからこそ、人からかわいそうだと思われても納得できなかったのかもしれません。

本書を通して、ようやく自分自身と向き合えている今だからこそ、私は自分の思い込みに気づき、思考のクセをとらえて、実現したい人生脚本に沿って思考や行動を変えていきたいと思えるようになりました。
また、矛盾するようですが、すべての思考のクセが治るかどうかはわからないなと正直思ってしまっています。思考のクセを捉える事は大事だけれども、すべてを変えていくのではなく、そんな思考のクセとどう上手に付き合っていくのかということも大事なのではないかと私は思いました。

ここは、自分の人生において仮説検証を繰り返していきたいと思います!

5. まとめ

タイトルの通り、人生の99%は思い込みであるのであれば、自分のありたい姿が、すでに実現しているかのように思い込んで行動していくことで、自分の人生は好転していくのではないかと思いました。
「思い込みをうまく利用しながら、自分をコントロールする」ということを素直にやってみようと思います。
何か気づきがあれば別の記事で書いてみたいです。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました✨


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