チェーン店に、良い接客は難しい?
「 チェーン店で、良い接客ってなかなか難しいですよね」
これは、某・人気ブーランジェリーのオーナーから言われた言葉です。
一方的に存じ上げていたのですが、たまたまお話する機会があり、なんとなくお互いの仕事の話になりました。
「小売業向けのコンサルティング会社です」「シンプルなところで言えば、接客研修とか、ミステリーショッパーとか」と話した私。
以前は別の業種で販売職をしていたというオーナーは「ミステリーショッパーに当たったこと、あります!」なんて話をしながら、冒頭の一言をおっしゃいました。
これは、決して「チェーン店」を軽んじているわけではなく、「ご自身でビジネスを成した今」と「かつて従業員として仕事をしていた頃」とを比べてのこと。
「難しい」の意味は「商品や店への思いや理解が、オーナーほどには深まりにくいから」ということでした。
創業者と、従業員は同じ接客ができない?
実際、その通りではあると思います。
自身の作りたいものや、提供したいサービスを考え抜いて、そのための店舗を運営している「オーナー」は、商品への思いや理解が誰よりも深いのは当然のこと。
ですが私は、それだけじゃない、とも思うのです。
接客スペシャリスト、Mさんに伺った話で、印象的だったことがあります。それは、取り扱っている商品についてのアプローチの仕方です。
商品について、まず徹底的に調べることはもちろん、使い方を試す、食べる、さらにご自身で製造元にメールや電話で問い合わせもする!とおっしゃっていました。同時に、お客様との会話から得た情報や感想などを、お伝えすることもあるとのこと。
そのMさんの接客は、まさに商品の良さを伝える「伝道師」のようです。
作り手や創業者ではなくても、商品知識や理解を深めることはできます。
さらに、自身が作り出したものではない、からこそ、お客様と同じ視点から、商品の魅力をとらえることができます。
そう思うと、
・作り手や創業者だから伝えられること
・お客様に近く、フラットな立場の接客販売員だから伝えられること
これらには、それぞれ違った魅力があるものではないでしょうか。
そんなことを、またオーナーと話してみたいなぁと思いました。
Mさんは商品知識をどうやって深めているのか…
こちらでもヒントが聞けそうです!