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スタッフの接客こそが「高付加価値」なのだ!と気づいたメガネ店での体験
商品力と、接客力について考える機会がありました。
ある商業施設に入っている、2つのメガネ店で接客を受けた時のことです。
A店は、やや高価格帯👓
各種ブランド商品や、鯖江ブランドのチタンフレームを取り扱っています。
B店は、比較的手に取りやすい価格帯👓
自社オリジナルの機能的な商品を取り扱っています。
2店舗の接客は、かなり対照的でした。
A店👓は、とにかく熱心で押しが強め!
フレームを手に取って見ていると…
「 良いのをお選びになりましたね、これも良いですよ。これも良いですね、これの方が似合いますね、これはどうですか?ほら素敵!」
次々に試着を勧めながら、見立ててくれました。しかし、どんな目的で入店したのかは聞いてもらえません。
こちらが「 鯖江のメガネって有名ですけど、やっぱり良いですか?」と尋ねても「 そうですねー」と言うのみ。
続けて「 これはすごく良いものですよ、〇〇スタイルなので」と言われるのですが、「そもそも、〇〇スタイルって何…??」の私。
「◯◯スタイル?」と聞き返しても「そう、◯◯スタイルです」と言われてしまいます。(どうやら自社の品質基準のことだったようです)
さらには、品番を頂いて退店を見送られるタイミングで「これもお似合いになりそう」と、まったく違う商品を勧められました。
退店後の私がまず行ったのは「鯖江 メガネ 特長」と検索することでした。
B店👓では、サングラスを見ていました。
同じく、フレームを手にとって相談すると「サングラス、どんな時にお使いになりますか?」と確認がありました。
「朝の送迎に」と伝えると「わかります、私も子どもの送迎をしていまして、朝は太陽が低いから眩しいですよね。今はどうされてるんですか?」とさらに確認。
続けて、レンズの色や濃さを見比べていると、レンズ越しに天井の照明を見るように勧められ、隣に立って、見え方の違いを言語化してくれるのです。
「しっかりまぶしさを抑えるので、光の輪郭が見えませんか?」
「こちらは、色の違いが見えやすいです、信号がはっきりと見えます」
自分で試していても、正直、見え方の違いは「なんとなく暗い、明るい」程度しか感じられません。この説明を聞けることで、比較ポイントが明確になります。
その上で
「サングラスは、見え方と同じくらい、見られ方も重要ですからね」
「このあたりは、相手の方から目が見えます」
「これは目の表情が見えない…エージェントのサングラスです🕶」
と二つの視点からレンズ選びをサポートし、その色に合わせてフレームを選ぶことを推奨されました。
この時点で、かなりの満足感が醸成されています。
単純に、商品の価格やブランド力だけでいえば、A店の方が「良い商品を扱っている」と言えるのかもしれません。
しかし「良い商品を、自信をもって勧めればそれで良いのか?」ということをあらためて考えた、今回の2店舗の接客でした。
商品が高価値であることはもちろん素敵なのですが……
仮に高額なものでなくても、商品のよさを深く理解し、満足してお買い物ができれば、お客様一人一人にとって、その方が幸福度が高いのではないか、と考えました。
「高付加価値商品」という言葉がありますが、スタッフの接客こそが、その「高付加価値」になりえるのだなと感じる経験でした。
Shinka lab株式会社では「小売業のエキスパート」を目指す、研修や各種コンサルティングを実施しています。
お客様に本当に求められる「エキスパート」のありかたについて、私たちも引き続き考えていきたいと思います。