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個性を理解し、親子の絆を深める #01 子どもの個性を見極めるための第一歩

第1章: 子どもの個性を見極めるための第一歩


「この子、どういう性格なんだろう?」お母さんなら、一度はこんな疑問を抱いたことがあるかもしれません。

日々一緒にいるからこそ子どもの行動や反応に気づくことも多いものの、その奥にある「本当の性格」を理解するのは難しいものです。

特にまだ言葉で自分の気持ちを上手に伝えられない年齢の子どもでは、親としてどう関わっていけば良いのか戸惑うこともありますよね。

例えば、こんな日常のシーンを思い浮かべてみてください。

朝の準備の時間
お母さんは朝の支度を急いでいます。

「急いで着替えて、もうすぐ出かける時間よ」と声をかけると、子どもはパジャマを脱ぐのをためらい目の前の玩具に気を取られています。

「どうしていつも時間がかかるのかな?」と焦るお母さんの気持ちもわかります。でも、子どもにとってはその瞬間が大切な遊びの時間かもしれません。


そんな時、お母さんが「もう、また!早くして!」とイライラするのではなく、観察することから始めてみてください。


1. 観察することから始めよう

子どもの行動には、すべて意味があります
例えば朝の準備に時間がかかる子どもは、もしかしたら「今、やっていることを完了したい」という強い意志があるのかもしれません。

そんな一見「困った行動」も、子どもの個性や強みを表しているのです。
あるお母さんがこんな体験を話してくれました。

彼女の娘は朝起きるとすぐに絵を描き始めます。
最初は「なんでそんなに絵を描きたがるんだろう?」と戸惑っていたそうですが、ある日彼女が娘の描いた絵をじっくり見てみると、その絵にはたくさんの細かいディテールが込められていたことに気づきました。

「もしかして娘は物事に細かく気づき、繊細な感覚を持っているんじゃないか?」そう考えたお母さんは、それから娘の絵を通して彼女の気持ちや考えに触れるようになりました。


こうした小さな気づきは、子どもの成長や個性を理解する大きな手がかりになります。

観察は、お母さんが子どもとより深い関係を築くための最初のステップです。


2. 日常の行動から性格を読み取る

次に、日常の行動を通して子どもの性格や個性を読み取ってみましょう。

例えば、子どもが遊んでいるとき、他の子とどのように関わっているでしょうか?活発に友達と遊ぶのが好きな子もいれば、一歩引いて状況を観察する子もいます。

どちらも、その子の大切な個性です。

公園で遊んでいる時のシーンを想像してみてください。
お母さんがベンチに座りながら、子どもがどうやって他の子と接しているかを見守っています。

息子が一瞬迷ってから少しずつグループに近づきついには自分から話しかける姿を見て、お母さんは「うちの子、最初は恥ずかしがるけど、ちゃんと自分から行動できるんだ」と感心するかもしれません。

一方で、他の子どもたちが元気に走り回る中で、娘が静かに砂場で一人遊びをしているシーンも考えられます。

「どうして一人なのかな?」と心配するお母さんもいるかもしれません。

でも、実はそれはお子さんが自分の世界に集中して楽しんでいる証拠かもしれません。

このような一見「孤立している」と思われがちな行動も、その子が自分のペースで楽しむことを大切にしている性格の表れです。この時間こそ、その子の強みを伸ばしている時間なのです。


3. 親ができる具体的なアクション

ここまで観察してきたものを踏まえて、次に親ができる具体的なアクションを考えてみましょう。
観察から得られた気づきは、日常生活の中で活かすことができます。

  • 一緒に遊び、共感する時間を作る
    遊びの中で子どもの世界に入ることは、親子の絆を深める絶好の機会です。 例えば、積み木を一緒に組み立てながら「どうしてここに置いたの?」と聞いてみると、子どもは意外としっかりした理由を話してくれるかもしれません。
    そんな時、お母さんが「そうか、それはいいね!」と共感しながら接すると、子どもは自分の考えを表現することに自信を持つようになります。

  • 子どもに選択肢を与える
    例えば、「今日はどのおもちゃで遊ぶ?」と選ばせてみると、子どもは自分で決断する力を養うことができます。お母さんの立場から見ればどちらの選択肢もたいして変わらないかもしれませんが、子どもにとっては、自分の意思を表現するチャンスです。「自分で選んでいいんだ」という安心感が、子どもの自己肯定感を育てます。

  • 感情に寄り添い、質問してみる
    「今日は楽しかった?」「何が一番楽しかった?」と、具体的に質問してみてください。子どもは自分の感情や経験を言葉にすることで内面を整理し、自分を理解する力を育てます。また、親がその感情に寄り添ってあげることで、子どもは「お母さんは僕の気持ちを分かってくれている」と感じ、安心して自己表現をするようになります。

ある日、遊びから帰ってきた息子が「今日は友達と喧嘩しちゃったんだ」と打ち明けたとき、お母さんはどう感じるでしょう?

つい「どうしてそんなことしたの?」と叱りたくなる気持ちもあるかもしれません。

でも、そこで一歩踏みとどまって「どうして喧嘩しちゃったんだろうね?」と優しく聞いてみてください。

そうすることで、子どもは自分の感情を言葉にする練習ができ、お母さんもその裏にある本当の理由に気づけるかもしれません。

子どもの個性を理解するためには、観察と寄り添いの姿勢が大切です。

日常の小さな行動や反応の一つひとつに、子どもなりの思いや感情が込められています

お母さんが少し目線を変えるだけで、もっと子どもがどんな子なのか、どういう成長をしているのかが見えてくるはずです。


次の章では、親子のコミュニケーションをさらに円滑にするためのアプローチについて詳しく見ていきます。


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