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Tomo美濃フルーツ探訪2020 vol.5 紅まどんな と 湖北いちご
今日のひと皿 『紅まどんな』と『湖北いちご』
先日、滋賀のスーパー「フタバヤ長浜店」さんへ。
いつも果物コーナーが充実していて、旬のフルーツやちょっと珍しいフルーツに出会えたりします。今回は『紅まどんな』と『湖北いちご』をチョイス。
今回こちらの2種類の果実について、情報をシェアしていきまーす!
まずは『紅まどんな』、こちらは愛媛県のオリジナル品種。
「南香」と「天草」の交配品種で、2005年3月に愛媛県立果樹試験場(現:愛媛県農林水産研究所果樹研究センター)で登録されました。ゆえに栽培も愛媛県内限定。一定水準をクリアしたもののみが、出荷されるとの事です。ちなみに「紅まどんな」はJA全農えひめの登録商標で、正式な品種名は「愛媛果試第28号」。なにやら超合金的なヒビキ。
“デビュー前”の果実は、いわば下積み修行中!試験場の管理番号で呼ばれていて、世に出るときに初めて、素敵な呼び名〔芸名〕を授かるわけです。おいしい果実には、ネーミングがとっっっても大事!ってことで各県、特産となるフルーツには、ねりに練った名前を付けられていて、調べてみると非常に面白いです。
それはさておき、こちらの『紅まどんな』、パッケージに「ゼリーのような食感」とありますが、本当にトロン・プルンとした食感をしております。ほかの柑橘にはない食べごこち。これは説明し難いので、店頭で出会われたら、一度食してみることをオススメします。柑橘界の革命児や〜!と叫びたくなるかも?
実もさることながら、表皮もポヨンポヨンとした弾性があります。それでいて薄皮!外皮がとっても薄いんです。手では非常に剥きにくい。そこでカットフルーツにして食べる事が、JA全農えひめさんから公式にオススメされています。
ナイフで横半分にカットした後、縦に4~6等分にして、形がニコッと笑った口のようになる「スマイルカット」が紹介されていますが、今回は「シングルウィング」と「オレンジカップ」に切ってみました。薄皮の部分を避けて、果肉の表面積が大きくなるようにカットすると、舌にダイレクトに果実味が伝わってきて、オススメですよ。
そして実はシロップ漬けなんじゃないの?というくらい、濃いい味がします。柑橘なんだけど、酸味がほとんど感じられない。代わりに、とっても甘くてジューシー。糖度が高いんですね。直径10cmほどの大玉で、これほど濃厚な味を引き出せるとは!そんな『紅まどんな』の夏場の水管理とはいかなるものか。農家さんのご苦労が偲ばれる逸品です。とっても美味しくいただきました!
そしてもう一つが『こほくいちご』。こほく=湖北で、滋賀県長浜市湖北町の”地域ブランド“名です。地元の朝摘みいちごですね。今のところ県外の市場へは、あまり出回らないかも。日照時間も短く、豪雪地帯にもなる湖北の地、その寒さを生かして甘ーいイチゴを育成、11.12月から5月頃まで出荷しています。中でも1〜2月下旬頃のものが1番甘いんだとか。今回の品種は『章姫』ですが、他にも「かおり野」「紅ほっぺ」「もういっこ」などの複数品種を育てて“地域ブランド”化されております。
ちなみに『章姫』は、1992年に品種登録された、静岡県の萩原章弘氏が育成したイチゴ。多くのイチゴは横長ですが、こちらは縦長の円錐形をしています。のっぺり顔です。艶やかな紅色をしていて、口当たりがやわらかく、ほとんど酸味のない、甘い味わい。とっても食べやすい品種です。
フルーツを売り込むにはいろいろなアピールポイントがありますが、その中でも「地元いちご」「朝摘みいちご」として“地域ブランド”を作るのって、とっても大切ですよね。お客様の中には、地元を応援したい!もっと元気な街になってほしい!って思っている人がたくさん隠れています。そういう潜在的需要にアプローチする商品開発、せっかくなら地元地域へ還元したい!という買い手の心理をくすぐるネーミングセンス、キラリと光ります。右と左、どっちのイチゴを買おうかな?と迷ったときに、密かに決め手となるポイント〔分岐点〕を持っている農産物が、店頭では強いです。
そんなこんなで『紅まどんな』と『こほくいちご』、とっても美味しくいただきました!皆さんも気になるフルーツに出会ったら、好奇心の求めるまま、気軽に手をとってみてはいかがでしょうか?思いがけず、新しい味に出会えるかも?