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共同エージェンシーの段階

キャリア共育デザイナーの赤井友美です

社会において、子どもや若者はまだまだ「無視されている構成員」だと思うことがたくさんあるし、私も子どもの時になんで子どもはこんなに話を聞いてもらえないんだろうなぁ・・・と思ったことがあります。

そんなこともあり、「社会の一員として誰もが対等にリスペクトされる社会」というのを大事にしたいなーと思っているのですが、今日はOECDの資料を読んでいて、「多様な世代が共にプロジェクトに取り組む際、自分がどのようにそのプロジェクトに関わっているのか」自覚的になるのにとってもいいなーと思った「共同エージェンシーの段階」という表について紹介したくまとめています。

共同エージェンシーの8段階

0:沈黙

若者が貢献できると若者も大人も信じておらず、大人がすべてを主導し、すべての意思決定を行うのに対して若者は沈黙を通す。

1:操り

主張を正当化するために大人が若者を利用し、まるで若者が主導しているかのように見せる。

2:お飾り

主張を助ける、あるいは勢いづけるために大人が若者を利用する。

3:形式主義・形だけの平等

大人は若者に選択肢を与えているように見せるが、その内容あるいは参加のしかたに若者が選択する余地は少ない、あるいは皆無である。

4:若者に特定の役割が与えられ、伝えられるだけ

若者には特定の役割が与えられ、若者が参加する理由や参加の方法は伝えられているが、若者はプロジェクトの主導や意思決定、プロジェクトにおける自分たちの役割に関する判断には関わらない。

5:若者からの意見を基に大人が導く

大人はプロジェクトの設計に関して若者の意見を求め、その結果について報告をするが、大人がプロジェクトに関する意思決定を行い、プロジェクトを主導する。

6:意思決定を大人・若者で共有しながら、大人が導く

大人が開始し、進めるプロジェクトの意思決定に、若者も参画する。

7:若者が開始し、方向性を定める

大人の支援を借りて若者がプロジェクトを開始し、方向性を定める。若者は大人の意見を聞いたり、若者が意思決定しやすいように指針やアドバイスを与えたりするが、最終的にすべての意思決定は若者が行う。

8:若者が開始し、大人とともに意思決定を共有する。

若者がプロジェクトを開始し、意思決定は若者と大人の協働で行われる。プロジェクトの主導権や運営権は若者と大人の対等な立場の上で共有される。


今回の元ネタのデータはこちらのpdfの11ページ。

これをみて、今の世の中はほとんど「5より下の段階ばかりだよ・・・」と思ったのはきっと私だけではないはず・・

小学生や幼稚園から8の段階にいくっていうのは難しいけれど、成長に応じて段階を登っていけるといいなぁ。と思ったのでした。

最後に、そもそもエージェンシーとはなんぞや?と思われた方もいると思うので簡単に用語説明。

「エージェンシー」とは?

OECDのEducation2030でよく出てくる「エージェンシー(Agency)」は
自分の人生および周りの世界に対して良い方向に影響を与える能力や
意志を持つことを示しています。

「共同エージェンシー」とは?

生徒が、共有された目標に向かって邁進できるように支援する、保護者との、教師との、コミュニティとの、そして生徒同士との、双方向的な互いに支え合う関係として定義されます。


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