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地方のグリーン業は「教育的アプローチ」が必要なのかも、な話 #0129

地元のアンティーク家具屋さんと話していて、地方で嗜好品的なものを販売するには、教育的な観点が必要だよなーと思ったお話。

先日、植物販売の方でセールを開催しました。
セールの場所はいつもお世話になっている地元のアンティーク家具屋さん。
毎回出店の際は、店主のFさんといろいろ話をするのですが、個人事業のツラいところでもある「相談相手がなかなかいない」に対してFさんとはいろいろ話をできるので、ナイスなんですね。

Fさんはネット販売で売れるようになり、そこから実店舗を構えて1年。
地方での出店に可能性と大変さの両方を感じているようで、しかもその観点が庭とも実に共通する部分が多くて面白かったのです!


テーマを絞ったピンホールマーケティング

今回Fさんと話をしていたのは、そもそも母数の少ないこのマーケットで営業していくためにはどうしたらええんかね?ということでした。
結論として話していたのは、「さらにテーマを絞る」ということと「飲食を巻き込む」ということでした。

そもそも狭いマーケットでは、お客さんが固定化してしまいがちです。さらに、現状特に用事がなければ来ないようなエリア、かつ「嗜好品」に位置付けられる、アンティーク家具や観葉植物(&庭)、、。
固定客を維持しつつ、新規のお客さんを連れてくるのは、なかなかチャレンジングではあるのです。

今回セールでは、外も使わせてもらいました!

現状、植物も幅広いジャンルで販売しています。例えば植物なら、外植えの宿根草から鉢物のオリーブ、小さい観葉植物から大きな観葉植物、さらには塊根植物、、といった具合です。
この辺りは来年からジャンル絞ってもいいかな、と考えています。

家具も植物も「入れ変わり」が重要です。
常に商品が入れ変わっていくことで、お客さんは「次来たら無いかも!」という宝探し感を楽しめるわけで、そのためには人の出入りが流動的であることが大事なわけです。
そうなってくると、飲食を交えた方が圧倒的にお客さんとの接点が増える、と言うのが実感です。先日も内陸のイベントにお邪魔したのですが、やっぱり飲食に集まる人の数は圧倒的!だなーーと実感しました。

お客さん側も来るきっかけになりやすいしね、美味しいものあると。
特にイベント時、一緒に飲食だしてくれるかたを探そうと思いますよ。

今年も色々出店しましたよ、、

庭は少しスタンスが違うのですが、それでも新規のお客さんとどんどん会って行った方が当然プロスペクトの数は増えていくので、新規は増やしていきたいわけですな。

接点を増やすには「わかりやすさ」や「来やすさ」が重要。
「わかりやすさ」で言うと、ターゲットを絞ったやり方。例えば宿根草ばかり集めたような、より尖ったスタンス。
「来やすさ」は間口を広げた、例えば飲食を仲間につけるようなスタンス。
この二つを両立していくのがいいよね、と言うのが暫定的な結論でした。

常に変更&トライ!

Fさんの店舗はお世辞にも「いい場所」とは言えない場所なんですな。(失敬!)

酒田、鶴岡に挟まれた余目という、シャッター商店街の端にある元印刷工場をリノベーションしているのです。
酒田、鶴岡の人口がそれぞれ10万人程度で、余目のある庄内町は2万人(!)で母数も小さいわけです。庄内平野は全て商圏と考えても、やはり30万人程度の人口で、尖ったアンティーク家具が好きな人口はたかが知れています。

1000万人の東京と、30万人の庄内では同じ1%でも10万人と3000人ですからね。この違いはデカいわけです。
(関係ないけど、ノルウェーの友達に「10万人くらいの街に住んでる」と言ったら「大きな街ね!」と言われました 笑)

とはいえ、人口が少ないが故に、すぐにトッププレイヤーになれるという利点はあるわけで、広告効果も即効性があります。実感値としても、インスタと紙のチラシがあれば、集客効果は結構あるわけです。
これは本当に地方の良い点です。すぐに知られるので、仕事も口コミで来やすい。お互いが経済的に支え合っている感も会ってナイスですよ。

一方で、少ないプロスペクトのお客さんに当てていくには、同じことをやっているとすぐに飽きられてしまうため、常に変更を加えていく必要があります。これは広告も商品設計も両方ですね。
インスタだったら、文言を変える、注目ポイントは写真の見せ方を変えるとか。植物の仕入れラインもお客さんの反応を見てすぐに変えます。ある意味ノンポリです!(おい)

庭の場合は一発勝負ですが、それでも使う樹種とかは反応見て変えていく感じです。物販よりは長いスパンで変えてる感じはありますねー。

庭のスタンスも写真も色々試しましたよ、今年は

わたくしは会社員生活も7年ほどやっていたので、この辺りがいちばん、会社員時代と考え方が違う部分かなーと思っています。やったことは即売上に直結してくるからね。ほとんど考える前に変更をトライしていかないと広がっていかないですかれね。

教育的なアプローチをすべし!

地方特有の悩みかもしれないのですが、周囲の人を見ていると、そもそも家具や植物、あるいは生活空間を良くしようという感じがない。未だに、国道の量販店に行っているような人たちがマジョリティです。

植物が流行り始めている兆しはあるものの、感覚的には東京の流行からは3年以上遅れている感じです。
内陸はもう少し早くて、1,2年ビハインドな感じなので、仙台→山形→庄内くらいのタイムスパンで考えると、今山形で人気のあるものが、来年か再来年、庄内でも火がつく感じだと思います。
そういう意味では展開を読みやすいと言えば読みやすいですな。今年先走ったオージープランツは来年以降もう少し認知されていると思われます。

オージー系、マジで売れなかったな、、

わたくしは、元々の性格もマジョリティに寄っていかないタイプなのですが、しかし最初に書いた「わかりやすさ」みたいなもので間口を広げておく必要はあるよね、、と思っています。なので、流行的なものにも最近は目を向けている感じはあります。人が集まれば、自分のやりたい方向性も出していけると思うしね。
この辺りは、現実に合わせて変えていくことが必要かなーという次第です。

あとは「教育」的なアプローチが必要かなーと思っています。(上から目線に聞こえるが、、)
いわゆる「嗜好品」界隈は特に「なくても良い」ものを扱っているので、もともと興味がないと全く端にも棒にもかからない感じです。でもやっぱり「いい空間を広めたい」という考えをベースにしているので、最も長い時間を過ごす生活空間に目を向けてもらいたいなーというのが実感です。
少しずつ興味を持ってもらうために、品揃えや発信も、「育てていく」観点が必要なわけです。

そういう意味で、今後は家具や内装、建築を含めた発信をしていかないとなーと思う次第です。
こんな風に中と外の生活空間変えるといいよね!ということを、写真を交えて見せていくことが肝要かなーと。

実際、初めてグリーンを買ったお客さんでも、ハマって何度も足を運んでくれる人もいますからね。こういう方々を増やして、少しずつハマっていける環境を作れれば!と思っているわけです。

じわじわと規模を増やしていくのが結局は近道

まあ、こう書いていて気づくのは、自分は「育てる」ってのが好きなんだろうな、ということなんですな。子育てもそうだけど、面白いよね、育てるの。何にしても、Fさんとも話していたのが、嗜好品界隈の自営業者は、時間かけてじわじわと規模を大きくしていくしかないよね、ということですな。

教育的にマーケットを育てていく、と言うことは植物を育てることにも似て、時間がかかることではあります。先日読んでいた、重森三玲の「庭を見る心得」にも書いてありましたねー。「主人を設計するのが一番大変だと。

まあしかし、遠回りに見えて実はそれが長く商売を続けていくことにもつながるわけです。教育が広まると、地盤がしっかりして、底堅いお客さんと繋がれるようになるわけですからね。

どうやってグリーンを使って空間を使っていくと面白くなるのか、生活空間ってどうやったら面白くなるんだろうね、ということへの感度を高くしていくためにはどうしたら良いのか。その辺りの発信をやっていかないとなーーと実感いたしました。

ではでは!

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