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庭のレイアウト原則はこんな感じ No.0054

今年は暖かくなるのが早いので、早めに動き出さないと色々と納期関係がヤバめですな。(昨日スケジュールを洗い出ししてて実感)なかなか近隣でお客さんがいないのも厳しいところ。遠征が多いんすよ、ホント。

この春、新規のデザイン&施工案件があるのですが、あんまり仕事の話書いてないので、あえて植栽についてポイントとなることをまとめましょう(おお、プロっぽい)

庭に興味のない人にはまったく何のこっちゃな話ですが、、。

日本では外に気をつかわない

外構に関して、日本の住宅の庭を見ていて思うのは、「無秩序」なものが多いな、という気がしているのです。絵の構図と同じで、住宅に対してどのように緑を配置すれば「自然に」見えるのか、ということがポイントになってくるのです。そのためにはいくつかの原則があって、それを計画的に配置すれば良いのです。

日本の庭の「無秩序さ」というのはこの計画性のなさにあると思うわけです。とにかく好きなものを植えようとしてバランスが崩れまくっている、そういうとこが多いですな。日本庭園などはやはり計画的な配置になっていて素晴らしいと思うのですが、最近の住宅はなぜかあまり考えられていない。新築はほぼコンクリートで固められているし、残念であることしきりなわけです。
ひとえに予算的なもの、機能的なもの(駐車場にしたい、とか)で家の周りが決定されてしまっていて、何とも「余裕がない」という感じがするのです。

せっかく長い時間暮らす場所なんだから、心地よく過ごすようにすればいいのに、、と思うのはわたくしだけか、、。

ちなみに新築時のおすすめとしては、家の設計段階で庭の専門家を入れるのがベスト。予算的に厳しい、とかであれば「手を付けない」がベターです。
暮らしていく中で「こうしたい」が出てくるので、そのタイミングでも遅くないです。

庭づくりの原則論

さて、庭を作るときの原則なんですが、簡単にいうと「重心を決める」「テクスチャを混ぜる」「三角形を作る」の3つかなーと思います。

まず「重心を決める」。これは読んで字の如く。中心ではなく、重心。「真ん中」ではなくて「重心」。庭でどこを見せたいかを全体バランスの中で決めたら、そこに姿の良い高木から中木を置き、そこを庭の重心にする。ここを基準に全てのレイアウトを決めていくわけです。

次にテクスチャを混ぜる。落葉樹だけ、とか常緑樹だけ、とかではなくて7:3くらいを基準にして、違う質感を混ぜる。そうすると自然に近い見た目になるわけです。葉の質感も柔らかいものと硬いものを混ぜる、とかして質感や「抜け」を調整する。パレットで色を調合する感じですな。
下草に関しても、同じように硬い質感と柔らかい質感を混ぜる。例えばセダム系とグラス系のエアリーな感じを合わせるとかね。

最後に「三角形を作る」だけど、わたくしはわりとこれが大事だと思うております。正三角形は不自然になってしまうので、不等辺三角形が基本です。特に重心の木と添木が大まかなイメージを決めると思っています。こうすると、外からも窓からも遠近感が出て奥行きが感じられるようになるし、これまた「自然な」見た目になるのです。


こんな感じ

まあしかし。全体的に「自然に見える」ということを「人工的に作る」という何とも矛盾したことをやっとるわけだけど、人間の目に「自然に見える」というのはそういうセオリーがあるってことなんですな。

試行錯誤で行き着いた次第

わりとわたくしは独学で進めてきたので、試行錯誤の連続なのですが試行錯誤している分、日々勉強になることばかりです。今日書いたところも基本中の基本ですが、これも自分で試行錯誤しながら行き着いた感じです。遠回りした感もあるが、、。

しかし専門外からやってきて、どちらかというと緑に関わらず「良い空間を作りたい」という原則をもとにしているので、いろんなジャンル(絵とか空間設計とか)の構造を参考に庭づくりをできている実感がある。そういう意味では自分なりの考えで仕事を進めらていて、いい感じだなーとも思う次第です。

ちなみに今現在も、自然風剪定に関しては樹木医の先生に教えてもらっているので、この辺りはまた書きたいなーと思います。


今日のところは、原則論なので、あんま面白くないっちゃないね、、ホント興味ない人には何のこっちゃやな、、まあいいや。


チャオ!

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