「ブランディングの科学」は BtoBでも応用できる? IDEOのマーケティング戦略から読み解く市場浸透率の伸ばし方
今回は、バイロン・シャープのブランディングの科学という本のテーマを掘り下げていきたいと思います。
簡単に本の内容を紹介した上で、デザイン思考を世の中に広げたIDEOのマーケティング戦略をブランディングの科学の理論から読み解き、BtoBでもブランディングの科学で提唱されていることは成り立つのか?を整理していきたいと思います。
結論は、成り立ちます。
書籍でもBtoBでも考え方は同じだと書かれています。
ブランディングの科学の概要
20世紀のコトラー派のマーケティング理論(STP, ロイヤリティプログラム等)はファクトのない非科学的なものであると否定し、独自の理論を展開している点がユニークなところです。
マスマーケティング→顧客の認知・認識・想起を最大化することが、エビデンスをもとに推奨されています。
ブランディングの科学の内容をシンプルに要約します。
市場占有率の高さは顧客の離反率の低さにも相関する、とエビデンスをもとに書かれています。
既存のマーケティングに対する考え方を揺さぶられるセンテンスを引用します。
マーケティングの神様と言われ続けているコトラーの理論を真っ向から否定してきているのが面白い!
・セグメントを考え過ぎても意味ない
・競合との差別化を考えすぎても意味ない
・ヘビーユーザーのことばかり考えても意味ない
バイロン・シャープの全ての主張を網膜的に信じるのは危険かもしれませんが、言われてみれば確かに!と思わせてくれる主張も多く参考になります。
さて、ここで気になることがあります。
ブランディングの科学はBtoBでも当てはまるのか?
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