老舗かまぼこ店鈴廣から学ぶマーケティングトレース

老舗かまぼこ店のマーケティング戦略をトレースしてみる!老舗がもつブランド力を解き明かす

カンブリア宮殿で特集されている企業のマーケティング戦略を想像してトレースしてみる取り組み。マーケッターの筋トレシリーズ005です。

本日は、老舗かまぼこ店の鈴廣です!

ぜひ、読んでいただいている皆さんも、カンブリア宮殿をみながら、みた後にマーケティングトレースをやってみて頂ければと思います!

※分析内容はあくまで私見であるため、事実と異なる可能性はあります。

まずは下書きとしてマーケティング戦略の全体像を整理します。

マーケティングトレース全体像

今回のマーケティングトレースで活用したフレームワークはこちらです。
マーケティング戦略を組み立てる時に使う基本フレームワークを活用している形。

①STP
②3C分析
③4P
④ビジネスモデルキャンパス
⑤KGI・KPI

トレース内容を紹介していきます。

①STP分析

STP分析の目的
マーケティング戦略で注力する顧客を決めるために、どの軸で顧客を切るのか?つまり、年齢、性別、態度、地域、価格、行動特性・・を明確にした上で、その顧客にどのような認知をしてもらうと優位性を発揮できるかを整理すること。

鈴廣の顧客は、子供から大人まで、地元の生活者から観光客までと幅広いのですが、その中でも注力する顧客を特定してみました。

それが、健康志向が高く、本物志向が高い人。

本物を求める人にとって、小田原の老舗かまぼこ屋=鈴廣というブランド認知を形成して、リピートを促しているのが基本戦略(ポジショニングマップの部分)ではないかと考えています。

続いて3C分析です。

3C分析

3C分析の目的
環境分析と市場機会の特定をするためのフレームワーク。

大前提として、かまぼこは斜陽産業です。

市場規模は縮小している中でも、鈴廣は売上を伸ばし続けているのが凄い!

ここでのポイントは、「鈴廣の持っているノウハウは同業者にもオープンにする」→業界全体の発展があってこそ自らの発展がある!という思想を持っている点です。

小田原蒲鉾のトップに君臨する鈴廣だが、自社で技術を囲い込むことなく毎月のように地域の同業者と勉強会を開きベテラン職人が若手に蒲鉾作りの技術を伝承している。さらに今や小田原では有名になった「蒲鉾さくら祭り」を長年同業者と開催。会長自ら先陣を切って盛り上げてきた。

3C分析でも、競合と自社の差別化ではなく、ノウハウをオープンにして「共創」→小田原かまぼこのブランド価値をあげて顧客に貢献するという図式にしています。

ここで気をつけたいのは・・最近のオープンイノベーションブームに乗っかり、とりあえずノウハウを他社に共有してもうまくいくわけがありません。

鈴廣の独自の経営資源(自社分析を踏まえ)があるからこそ「オープンイノベーション」が成り立っている。競合にもノウハウ共有→小田原のかまぼこブランドを強化→業界No1の鈴廣が顧客を呼び込む・・・という流れがつくられているという構造には注目です。

続いて4P分析です。

4P分析

4P分析
STPで考えた戦略の土台を実行に移すための計画。戦略を戦術に落とし込むために、4つの要素で整理して、投資意思決定をする上で役立つ。

4P分析からの考察としては、鈴廣の商品・サービス・店舗体験がプロモーションとして機能しているということです。

飲食サービスや、ワークショップなどを提供し、観光客を中心にワクワクした体験を提供している。

プレイスとプロダクトに投資をして、プロモーション部分への過剰投資をしないで成果を生み出すという構造になっている。

これがブランド力を築き、プロモーションに甘えないということなのだと解釈しています。

老舗企業は歴史があることが価値なわけではなく、歴史をブランド力に変えられていることが大切なわけですね。

ここから分析してきた内容の全体像を整理していきます。

④ビジネスモデルキャンパス

STP分析、3C分析、4P分析で整理してきたマーケティング戦略をまとめるために、ビジネスモデルキャンパスを活用。

ビジネスモデルキャンパスとは
ビジネスモデルの要素を9つに分け、つながりを視覚的に理解することができるツール。

参考になる本はこちらです。

改めて鈴廣のマーケティング戦略分析から競走優位性を整理すると↓

鈴廣の競争優位性を整理
①小田原ブランドの確立(背景には競合とのオープンイノベーション関係)
②商品・サービス開発力
③ロイヤリティーの高い顧客を満足させ口コミ・リピートに繋げる

KGI・KPI

経営の全体像を整理するために、KGI・KPIの考え方だけまとめました。

鈴廣は、製造・販売、飲食、卸の3事業で成り立っていますね。

定量数字を明確に調べることはできていませんが、マーケティングトレースでは財務の全体像、マーケティング戦略と売上・利益との関係性まで把握できるようにしたい・・・と思い、今回からKGI・KPI表も作成してみました。

今日のマーケティングトレースはここまでです!

最後まで読んで頂きありがとうございます!

マーケティングトレースのPDF資料

マーケティングトレースの分析スライドPDFは下記のリンクからダウンロード可能です!

マーケティングトレースに取り組む人が増えたり、マーケティングトレースのやり方を進化させる人が出てきてもらえたら嬉しいです!!


最後に、note記事も書かれている山口さんの著書、デジタル時代の基礎知識『ブランディング』「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール、がマーケティングトレースを実践する上でもとても参考になる内容でした!

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