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35歳からのウソ日記115『ウソで決まる結婚』

2020年9月20日

「俺と結婚してくれ!」

付き合って5年になる彼女に私は言った。

私はまぁー遊んできた。

彼女にバレたらまずいことも何度もしている。

浮気に、

浮気に、浮気。

常習犯だ。

だが、バレたことはない。

中でもバレたらまずいのが彼女の親友との浮気である。

つい1週間前だ。

これは墓場まで持って逝く。

しかし、何度浮気をしてもやはり彼女が1番なのである。

これは男のいいわけなのだろうが確かな事実だ。

オリンピック選手がフレンドパークに出て、「オリンピックより緊張します。」

って言う確率くらい確かである。

彼女の親友と浮気をしてしまったことで、自分の中で逆に結婚という二文字が浮かんできた。

浮気をして、結婚という文字が浮かぶ。

浮きまくりだ。

無重力状態である。

そんな宇宙レベルの勝手な考えから私はプロポーズをした。

彼女はオーケーしてくれるに違いない。


私は彼の浮気を全部知っている。

一つ残らず。

バレてないと思っているのか、自信満々なのが苛立つ。

しかし私はバレなければ浮気はしていいと言っているので許す。

バレているのだから許すのはおかしいのではと?

それは普通に生活していたら気づけないと思うからである。

彼は隠すのと、嘘をつくのがうまい。

しかし、私は副業で探偵的なことをやっている親友がいるのだ。

そう、最近彼と浮気した親友。

そもそも親友に彼を探ってもらい続けたのも、好きすぎる理由からであった。

しかし彼は浮気をやめる気配はなく、エスカレートしていくばかり。

だから親友に彼を誘惑してもらい、誘惑に乗ったら別れようと思っていたのだ。

結果は黒。

真っ黒でした。VIERAの黒くらい。

そして別れを告げようと思った時に彼からプロポーズを受けた。

予想外です。

本当に予想外の時は、どっかのCMで言っている「予想外です。」が出る。

じゃあ、みなさんもご一緒に、「予想外です。」

言ってくれた人は心優しい人なので浮気などはしない人だろう。

バクバク、バクバク。

心臓が破裂しそうだ。

バクバク、バクバク。

このご飯めっちゃうめぇ。

私のプロポーズを受けてから彼女は1時間考え込んでいる。

なので飯食べている。

なぜ飯を食う余裕があるのかって?

何を悩んでいるのか見当がつかないからだ。

そんな彼女がやっと重い口を開いた。

その言葉に衝撃が脳天から足の指先まで走りに走った。


「私、あなたの浮気全部知ってるのよ。」

プロポーズを受けた後に言った最初の言葉である。

親友に調査をしてもらっていたことも話した。

彼はじっと聞いたままだ。

ただ、ドリフみたいに爆発した後みたいになってる。


バレてたのか…

私はなんてバカなんだろうか。

バレていないと思っていた。

でも親友が調査していたということは、親友との浮気はバレてないはず!

わざわざ自分の浮気を報告するはずがない。

やはり墓場まで持って逝こう。

しかし本当に全部バレているのだろうか。

半信半疑の私は黙る事しかできなかった。

そしたら彼女が、

「私と結婚したいなら、今から5つ質問をするから嘘なしで正直に答えて。」

「ただし、1つだけ嘘をついて。」

「必要な嘘ってあると思うし、聞きたくないから。」

何個目に嘘をつくかは私が決めていいらしい。

多分、嘘をつかなきゃいけない質問があるのだろう。

間違えれば結婚できない。

1つ目の質問

「浮気をしたことがありますか?」

「はい。」

2つ目の質問

「浮気した人数は5人を越えていますか?」

「…はい。」

3つ目の質問

「1番最近浮気したのはいつですか?」

(最近といえば親友との浮気だけど、ここで嘘をついたら親友と浮気した事あるかって聞かれた時に嘘がつけない。)

(どうしよう…)

「一週間前です。」

4つ目の質問

「その相手は私の親友ですか?」

(やはりバレてたのか!?
墓場まで持って逝くと決めたしな。この質問が嘘をつくべき質問だ!
よしっ!)

「はい。」

(彼女はこの浮気を知っていても、結婚してくれようとしている!そんな彼女のために私はもう一切嘘はつかない!これでダメなら私が悪いんだから仕方ない!)

彼は私が嘘をついてほしい質問を正直に答えてしまった。

嘘をついてくれれば、最後の質問は適当なのにして結婚する予定だったのに。

最悪な結果だ。

なのに彼は清々しい顔をしている。

覚悟を決めた顔だ。

もう嘘はつかないと決めたんだろう。

輝きすら感じる。

そういえば5年前、人生の岐路に立たされ覚悟を決めた顔を見て、彼の事を好きになったんだっけな。

やっぱり私には彼しかいないな。

「5つ目の質問です。私と結婚したいですか?」

「一生したくないです。」

最後の質問でしっかり嘘をついてくれた彼と、死ぬまで幸せに暮らしたとさ。

それでは また あした で終わる今日 ということで。  

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