35歳からのウソ日記114『金の道、銀の道の真ん中の道』
2020年9月19日
金の斧と銀の斧の話に似ている話。
自分が使っていた斧を川だか池だか湖に誤って落としてしまい、途方に暮れていたんだか、泣いていたんだかしていると、精霊なんだか神様なんだかが金色の斧を持って出てきて、お前が落としたのはこの金の斧かと聞かれ、違いますと答えると、ではこれかと銀の斧を持ってきて、それも違いますと答えると、ではこれかと自分の落としてしまった斧を持ってきて、それですと答えると正直者だと褒められ、金の斧、銀の斧と自分の斧を全てもらえたという話を他の人に伝えると、その人はわざと自分の斧を落とし、お前が落としたのは金色の斧かと聞かれ、そうですと答えると嘘つきはいかんと怒りを買い、金の斧はもちろん自分の斧も返ってこないという、正直者は素晴らしく、嘘つきはダメだという話である。
これは最初の正直者が次の嘘つきにちゃんとした説明をしていないから起こってしまった詐欺まがいの話である。
しっかりと順序立てて金と銀の斧は自分のではないという答えが正しいと教えていれば2番目の人も金と銀の斧をもらえていた可能性が高い。
その情報を少し曲げて金は違うで銀は自分のだと言えばいいと教えるに加えて、情報料をもらえば詐欺の手口の成立である。
私はこんな話をしたかったわけではない。
したかった話をしたいと思う。
私が学生の頃でみんなが就職活動をしている時に見た夢の話だ。
特技があるわけでもなく、情熱を傾けれるほどやりたい仕事も見つかっていなかった学生時代。
でも大体のことはそれなりにできた。
おそらく私は悩んでいたのだろう。
その悩みが夢に出てきたのである。
私は道がない森の中をさまよっていた。
そこに神様風な男が現れ、私に2つの道を創りだしてくれ、質問を投げかけた。
お前が行きたいのは職人の道か、それとも多芸多才な道か。
金の道か銀の道かと聞かれているようなものである。
私は1つのことを極めるというよりは、多芸多才とまでは言わないが色んなことのレベルを上げていくことの方が向いていると思っている。
そんな私は逆に職人に憧れる。
悩んだあげく私は職人の道と答えた。
「どちらもお前には無理だよ。」
食い気味で言われた。
悩んだ上で答えを出したのが恥ずかしかった。
もしかしたら私にはどちらの道でもなく、平凡な道を創ってはいただけないですか、と言っていれば金の道か銀の道を選ばせてくれたのかもしれないと思った。
たかが夢だが非常に悔しい。
もう一度同じ夢を見て、次は違う答えを出して神様風の男を見返してやりたい。
同じ夢を見たという経験はあるからいつかこの夢も見れるはずだ。
だがそう思えばそう思うほど、その夢を見ることはなかった。
私はそこから夢というものに興味を持ち出す。
夢についてたくさんのことを調べた。
調べるから研究へと変わっていく。
そして今では私は夢に関する研究者として一目置かれるような存在にまでなった。
ある条件を満たせば高い確率で同じ夢を見ることができる方法まで分かったし、試したこともある。
だが私はあの夢を試してはいない。
試す必要がないからだ。
なぜなら私は結果的にあの夢で自分が答え、神様風の男に食い気味で否定された「職人の道」を歩いている。
夢の中ではなく、現実で神様風な男を見返したのだ。
多芸多才の道を選んでいたらどうなっていたのだろうと思うことはある。
そんな違う自分を夢で自在に体験することができるようになるかもしれない。
そんな研究を今はしている。
まだまだ先のことだろう。
すでに見たことある夢をもう一度見たいという人は私に連絡してくれれば方法を教えたいと思う。
情報料が少々かかるけど安いものですよ。
私は詐欺という芸を最近覚えたのである。
完
それでは また あした で終わる今日 ということで。
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