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35歳からのウソ日記110『グーグルマップで描く魔法陣グルグル』
2020年9月15日
悪魔の契約をしてしまった、と思う。
儀式により悪魔を呼び出し、願いを叶えてもらうために代償を払う。
その代償は寿命だったりする。
私はこれからどうなってしまうのだろうか。
そもそも儀式を知らないと悪魔を呼び出すことはできない。
そんな儀式を知っていたわけではないのだ。
偶然が呼び起こしてしまった。
私の予想の範囲でしか言えないが、決まった道順であるところにたどり着くと悪魔のいる場所の扉が開くのではないかと思っている。
今日は駅に向かって歩いていたのだが、なんとなく違う道を歩きたいと思い寄り道などもしながらグルグルと歩き駅に向かって行ったのだ。
その動きがおそらく魔法陣のようなものを描いていたのではないだろうか。
そしてある場所にたどり着いたときに扉が開いたのである。
その先には悪魔がよくここまでたどり着けたなという不敵な笑みを浮かべて手招いていた。
私は恐る恐る悪魔に近づいていき、とりあえず話を聞いてみることにしたのである。
私がイメージしていた悪魔の契約とは少し違っていて、言い方が合っているかは分からないが、リーズナブルで選択肢も多かった。
こういった願いの場合はこういった代償で、それよりも上のプランも下のプランもありますよ的な感じである。
寿命を捧げれば、なんでも願いが叶うみたいな感じではないのかと聞いてみると、それはもう昔の話で、今の時代そんなやり方じゃ誰も契約してくれないらしい。
願いの大きさと代償の大きさが割に合っていなければダメだろと言っていた。
まさか悪魔の世界でも時代の移り変わりに対応していかないといけないとは思ってもいなかった。
そもそも悪魔という存在自体を信じていなかったのだが。
そこからは悪魔の契約へのセールスが始まった。
流れるような分かりやすい説明、こちらからの質問に対して的確な回答。
悪魔は恐怖で私を契約へ結びつけるのではなく、話術で私の興味を湧かせてきた。
心なしか悪魔の顔も恐い感じではなく、優しさが垣間見えている。
もしかしたら悪魔界でも強面とそうでないタイプがいて、強面は恐怖を与えることで契約を結ぶことができるが、そうでないタイプはそれができないために、どこか別の部分を伸ばそうとして話術を身につけるのかもしれない。
人間界とそう変わらない事があちらでも起こっていると思うと親近感が湧いてきた。
しかし気を抜いてはいけない。
相手はあくまで悪魔だ。
フフフ。
完全に気が抜けている。
その一瞬を見逃さなかった悪魔は最後に畳み掛けてくる。
お得なサービスを必殺技のように繰り出してきた。
私は悪魔の話術と営業術によって契約を交わしてしまった。
真ん中のレベルのプランにすることで契約手数料がかからず、1番安いプランより最初の月はトータルで考えたら安くなり、10月の終わりまでに1番安いプランに変えれば問題ないという方法で、私はUQモバイルと契約してしまった。
もはやスマホは何でもできるので、これは悪魔の契約ですよね?
完
それでは また あした で終わる今日 ということで。