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冷えと水の関係-温考知身の二十四節気養生-

はじめに

暦の上では「小雪」の季節となりました。この時期は、秋から冬への移行期間であり、寒さがじわじわと体に影響を与え始めます。東洋医学では、冷えが体内の「水」の働きを滞らせることでさまざまな不調が生じると考えます。今回は、小雪の時期に知っておきたい「冷えと水の関係」を東洋医学の視点から詳しく解説し、冬を健やかに過ごすための養生法をご紹介します。


冷えと水の関係:東洋医学の視点

東洋医学では、体内の「水」は津液(しんえき:体を潤す液体)という形で存在し、体温調節や代謝、老廃物の排出など重要な働きを担っています。この「水」が正常に巡ることで、健康が維持されると考えられます。

しかし、寒さが増すこの時期、冷えによって水は容易に滞ります。東洋医学では「冷えは水を固める」と考え、次のような症状を引き起こします。
冷えによる体内の水の滞り】
・むくみ
・手足の冷え
・消化不良
・疲労感

これらの症状は、特に小雪の時期に起こりやすいため、冷えを取り除き、水を巡らせることが養生の基本になります。

小雪の養生:冷えと水を整える具体的な方法

1. 温める:体を外側から冷えから守る

冷えが進むと、体表から内側まで徐々に水の巡りが悪くなります。この時期は、外からの冷えを防ぎ、体を温かく保つことが重要です。
足元を温める
足元は特に冷えやすい部位であり、全身の冷えにも直結します。寝る前に足湯をすることで、冷えを解消し、水の巡りが良くなります。足湯の温度は40〜42℃程度に設定し、10〜15分間ゆっくり浸かるのが理想的です。足湯の際にリラックスした呼吸を意識するとさらに効果的です。
首や腰を防寒する
首や腰は体温を逃しやすい部位です。この部分を温かいマフラーや腹巻きで保護すると、冷えが原因で滞った水が動き出しやすくなります。特に腰部は腎(じん)の働きと深く関連しており、温めることで腎の働きを高め、冷えやむくみの改善に繋がります。

2. 巡らせる:滞った水を動かす習慣を

水は冷えると滞りやすくなるため、適度な動きで巡りを促進することが大切です。
朝のストレッチで水を動かす
朝の冷えた体を動かし始めることで、水の滞りが解消されます。特に腰や股関節を中心に動かすストレッチは、水の流れを良くし、冷えの改善に効果的です。
【おすすめのストレッチ】
1. 両足を肩幅に開き、ゆっくり腰を回す。
2. 股関節を意識しながら体を左右にゆっくり倒す。
3. 足首を回し、足元の血流を促す。
軽い散歩で循環を促す
朝の時間に15〜20分ほど散歩をすることで、体全体の巡りが良くなり、水が滞りにくい状態を作ります。寒い時期でも体を冷やさないよう、暖かい服装で行うのがポイントです。

3. お灸で冷えと水の滞りを改善する

東洋医学の中でも、お灸は冷えの解消と水の巡りを整えるのに最適な方法です。特に以下のツボを温めることで、冷えやむくみを改善できます。
三陰交(さんいんこう)
足首の内側にあるツボで、冷えによるむくみや婦人科系の不調に効果的です。水の巡りを良くし、体全体を温める作用があります。
湧泉(ゆうせん)
足の裏の中央にあるツボで、体を内側から温め、冷えを緩和します。全身のエネルギーを高め、水の巡りを促します。

お灸をする際は、火傷に注意しながら、リラックスした気持ちで行うことがポイントです。ツボを温めながら深呼吸を取り入れると、さらに効果が高まります。

4. 入浴で体を芯から温める

体全体を温めるには、入浴が最も手軽で効果的です。特に小雪の時期は、冷えが体の深部に届く前に温めることが大切です。
入浴のポイント】
・湯温は38〜40℃程度に設定し、20分ほどじっくり浸かる。
・入浴中に腹式呼吸を意識すると、リラックス効果が高まり、体全体が温まりやすくなります。
・入浴後は早めに体を保温することで、冷えが戻るのを防ぎます。

入浴中にはアロマオイルや入浴剤を活用し、心身ともにリラックスできる環境を整えると良いでしょう。

まとめ

小雪の時期は、冷えが体の水分の巡りを乱しやすくなるため、体を温めて水を滞らせないことが大切です。足元や腰を温め、軽い運動やお灸で水の巡りを整えながら、寒さに備える体づくりを始めましょう。

この時期に体を整えることで、冬を元気に過ごす土台が築かれます。日々の生活に小さな養生を取り入れ、体と心を穏やかに保ちながら、冬を迎える準備を進めてください。

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