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ストレッチだけすればいいのか!?

さて。

今回は、選手やスポーツをやっている子を持つ保護者向けに、『ストレッチだけすればいいってわけじゃないよ』というお話をしたいと思います。


柔軟性が高ければ、ケガしないのか

選手から『ストレッチして柔軟性が高くなれば、ケガしないですか?』と質問されることがあります。そんな時は、即答でNoと答えます。

柔軟性が高くなっても、ケガする事はあります。ケガをしにくくなるかもしれませんが、柔軟性が高いが故にケガをしてしまうこともあります。

そんな選手たちをたくさん見てきました。

専門用語になってしまいますが、

人に動かしてもらって動く可動範囲のことを、柔軟性と言います。

自分で動かせる可動範囲のことを、可動性と言います。


人に動かしてもらって動く範囲と自分で動かす範囲

人に動かしてもらって動く範囲(柔軟性)と自分で動かせる範囲(可動性)は、全く別物なんです。

例えば、

仰向けになって、トレーナーとかに、もも裏の筋肉(ハムストリングス)のストレッチ(柔軟性)をしてもらい100度まで上がったけど、いざ、自分の力で足を持ち上げよう(可動性)とすると70度までしか上がらなかったみたいな感じです。

SLRの柔軟性と可動性


だとすると、

71~100の範囲は、自分ではコントロールできないオーバーストレッチの範囲になってしまうため、筋肉が伸びた時に切れないように感じとる反射(伸張反射)が起きない事になってしまいます。
そのコントロールできないオーバーストレッチの範囲で、ケガをする事があるので、柔軟性が高ければ、ケガをしないというわけではありません。

こんなケースがあると思います

①柔軟性は狭い、可動性も狭い
②柔軟性は狭い、可動性は広い→これはいないかな!!
③柔軟性は広い、可動性は狭い
④柔軟性は広い、可動性も広い

この中で、一番ケガのリスクがあるのは、③だと考えています。

①は、自分の動かせる範囲の中では、うまくコントロールできていますが、スポーツでは、予期せぬ突発的な動きが加わる事がありますので、その時に動く範囲が狭い分、関節にかかる負担も大きくケガに繋がりやすくなります。

①の選手は、柔軟性を向上させる事がまず必要ですし、③の選手は可動性を向上させる必要があります

柔軟性を上げるのか、可動性を上げるのかでメニューが変わってきます。

最も理想的なのは④で、柔軟性が高く、可動性も広いのが理想的です。

試合前に柔軟性を上げるのは危険!?

特に試合前に、入念にストレッチしたりする事があると思いますが、試合前に柔軟性を広げ過ぎてしまうと、自分でコントロールできない範囲が広がってしまいます。ピッチャーであれば、腕が遅れすぎてしまうとか。

なので、ゲーム前は、自分で動かせる範囲(可動性)を広げる必要があります。

自分で動かせる範囲(可動性)を広げるためにはどうすればいいのかというと、ストレッチやマッサージではなく、自分の柔軟性のギリギリの範囲まで動かすエクササイズがものすごく大切です。

外国人選手は、治療の最後に必ず、力を入れる反応系エクササイズやPNFをしてくれとリクエストしてきます。

現場的に言うと、”締める”ってやつです。

エクササイズやトレーニングをする際には、自分で動かせる最終の範囲まで動かしましょう。

人に動かされるのではなく、自分で動かすことが大切で、広がった範囲を自分で動かさないと結局、スポーツの動きの中では使えません。

動きの問題は、運動でしか解決できないので、試合前のエクササイズはとってもとっても大切です。

トレーナーとしても、アプローチの最後は可動性の向上やモーターコントロールを向上させて終わらないと意味がないよねという自戒の念も込めて書いてます。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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