【古典映画】「椿三十郎」

黒澤明監督の、1962年の時代劇「椿三十郎」。

ラストの、三船敏郎演じる椿三十郎と、仲代達矢演じる室戸半兵衛の、お互いに近過ぎると思えるような決闘シーンで、三十郎が早斬りして、半兵衛の胸辺りから血がドバーッと噴き出すが、血の量がハンパなく多い。バケツでぶっかけような感じで、ちっとやり過ぎでねえかい。この特殊効果は、ポンプでも使ったのかしら?そこが一番、印象深いシーンであった。

上役の不正を暴こうと9人の若侍が立ち上がるが、偶然、彼らの密儀に居合わせることになった凄腕の浪人、椿三十郎が9人にアドバイスして助太刀する話だ。

逆に罠にハマりそうになって窮地に陥った9人のために、図らずも人肌脱ぐことになってしまった三十郎だが、三船の演じる彼が、口は悪いが人情の厚い大らかな豪傑って感じで、仕草も含めて、とてもユーモラスに描かれている。

9人の若侍は純ゆえにアホな面もあるが、隠れた場所から次々と顔を出すところなんか、ミーアキャットみたいで面白い。加山雄三、田中邦衛らが初々しい。まだまだ大根だけど。

リアルな殺陣捌きは見事だと思うし、ハラハラする場面もあったが、黒澤流の定番のパターンだと思うね。「用心棒」の続編みたいな位置付けというから、「用心棒」から先に観ればよかったかな。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。