【邦画】「古都」

図書館にあったので借りて観た。2016年の、Yuki Saito監督の「古都」。クソつまらねぇ映画だった。

川端康成の名作であり、1963年の中村登監督の、岩下志麻主演の同映画は面白かったけど。「古都」のその後を描いたもの。演者は、松雪泰子、橋本愛、成海璃子、奥田瑛二、伊原剛志他。

監督がハリウッドで8年映画作りの修行をしたなんて知らんけど、“物事は移ろいやすく、儚い”という“無常感”を描くのでも、例えば、名匠・小津安二郎と全く違うのは、こうした映画は、過去や伝統を良いものとし、新しいものを伝統と絆、美を壊す、悪いものとして描いていることにあって、そうじゃないのだよ。

小津安は、過去も現在も将来も含めて移り変わりとその儚さの美を、そこに思考を挟むことなく、そのまま描いているからこそ素晴らしいのだ(観る者に思わせる)。

時は流れて、過去は駆逐され忘れ去られて、次々と新しいものが生まれていく…そこに深く心で感じ入るのであって、善悪や思想を付けるものではないのだ。

だから、日本の伝統と美とされる旧態依然としたものを全面に出したコンセプトの、単なるノスタルジーで終わるような退屈なものしかできないのだよ。

京の美しい風景を描くのであっても、観る者にどうその美しさを思わせるのか、思わせたいのか、が大事なのだ。わかっとらんな、この監督は。←エラソー

それに、自分が本当にやりたいことをわかってる人間なんていないんじゃないの。

中途半端な終わり方も気に入らん。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。