老人大国

クリスマス、例によって、早朝からジジイの呻き声で起こされる。

下に行くと、またまた無様にベッドから落ちてる。

昨日、介護用品レンタルのスタッフに教わったように電動でベッドを下げて、半分は自分で這い上がらせた。こういう機能があったなんて、全く興味がないので知らなかった。

「ションベンしたいからトイレ行く」と叫んでて、自分がオムツをしてることもわからなくなってる。もしくは「迎えに来るから着替える」「大根を引き抜いて来る」「クルマに乗るから先に外に出てるね」とも。

せん妄症状なのか、認知症で脳が縮小して記憶が妄想になって出てるのか。ババアが過剰に対応してたから、せん妄・妄想がさらに酷くなった。

ベッドに縛り付けたり、檻みたいにすれば、虐待に当たると言われたので、なだめすかして寝かせるしかない。

俺は決して手をあげることはしないけど、思いっきり怒鳴る。「コラ!黙れ!殺すぞ!」…。すると多分怖がって一時は静かになる。

快楽を見つけたのか、自分から施設に行きたがるのはけっこうなことだが、日にちも、時間も、季節も、今言ったことも、何もわからなくなってるから、コッチは疲弊するばかり。

日本はすでに老人大国だと思うが、お上のいうことは無条件に聞いても、自ら介護するという文化・習慣が未熟だと感じる。俺なんか、いくら世話になった血の繋がった親だとはいえ、醜く汚らしい老体は反吐が出るほど嫌であるし。

すぐに病院に頼る、薬に頼ることもあるし、隅から隅まで保険などで徹底管理されてることで、自らの自然治癒力、人間としての生命力が蔑ろにされてると思う。

認知症大国であるのも、その辺に要因の一つが隠されているのかもしれない。ストレスだけで、なるべく考えなくさせるような、脳を使わなくさせるような社会の特有の雰囲気があるのではないか。

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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。