「窓ぎわのトットちゃん」黒柳徹子

先日、アニメ映画を観たので、1981(昭和56)年発行の、総発行部数2500万部超えとギネス世界記録を持つ原作を、図書館で見つけて、今ごろになってサクッと読んだ。

多分、ADHD(注意欠如多動症)だったと思われるトットちゃんが、普通の小学校を退学となって、次に入学した特殊学級のようなトモエ学園で、生徒が主体の、のびのびとした教育を受けて、個性を育んでいく。

校長先生に、常に「君は、本当は、いい子なんだよ!」と言われたトットちゃん。フツーは、「しょうがない子ねぇ」「イタズラばかりして」「なんでそんなことをするの」などと、最初に叱る言葉が出て来るものだけど、良いも悪いも全て認めて、自分で考えさせるということが、個性を育む上での“肝”であるだろう。

そういえば、トットちゃんが昔、お昼のTVのバラエティーショーに出演した時、番組のスケジュールを無視して、番組終了まで喋り続けて、結局、番組ジャックのようになってしまったことがあったというが、当時はまだ、TVも出演者も観客も、苦々しく思いながらも、そういうハプニングを認めて楽しんでいたような気がする。今だったら即“炎上”案件だろうけど。

秩序と正義ばかりを重んじて、無秩序や悪徳、突発的なことを決して認めないという雰囲気の中では、やはり個性は育ちにくいものとなるであろう。


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TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。