「破戒と男色の仏教史」
仏教は、僧侶で250、尼さんで348もの戒律があるという。
信仰者にとっては、毎日、朝起きてから夜寝るまで、一挙手一投足、様々なことを規制されていたわけだ。
多分、人間の持つ全ての“欲”を抑えて、悟りを得て、解脱を開くという意図があったからだろうけど、ここまでいくと、マゾヒズム的なエロスを感じてしまう。
そこで、中世の頃から、仏教界では、男色(同性愛)文化が盛んだったのだ。
高名な僧侶でも、“お稚児さん”(子供)を巡って争い、ライバルに取られては悲しみにくれることになるが、「これじゃ悟りを開くことはできない。いかん、いかん」と、また自分に厳しい戒律を課すものの、また、目の前にカワイイお稚児さんが現れれば、すぐに戒律を破ることになる。
子供相手に鶏姦(鶏の一穴)をやるのか?と思うけど、詳細に事を記した巻物も残ってるらしい。しかし、この本では、明らかにすることが憚れる、と書いてあってつまらないね。真面目な男色文化研究の本だった。
僧侶の世界では、女人禁制が当たり前だったから、容姿の美しい男の子を性欲発散の対象としたのだが、どうせ戒律を破るのであれば、フツーに女犯でいいじゃないかと思うけど、女人禁制だけは頑なに守るんだね。まあ、男女は子供ができるけど、男同士はできないからね。
どっちにしろ、信仰者にストイックを課して、戒律でがんじがらめにするような宗教は、その分、信者間でエロスが異常に蔓延したりするものだ。
悟りでも、解脱でも、やはり、人間の基本である“欲”との闘いなんだなぁ。
当時は、僧侶は、天皇とも結び付く、社会を浄化する特別な存在であったから、男色も目をつぶって許されていた時代なのだ。
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