【古典邦画】「青空娘」
増村保造監督の、1957(昭和32)年の大映作品「青空娘」。YouTubeにて。
24歳の若尾文子だが、高校を卒業したばかりのあどけない娘の役で、彼女の魅力が溢れており、意識しないでも男を狂わせる、妖艶な色気がすでに漂っていてメッチャ素晴らしい。
実の父親に会うために上京した娘が、父親の愛人の子であるために、本妻とその子供たちにいじめられながらも、実の母親にも会い、明るく逞しく生きて行くという青春ドラマ。
元気のもとは青空を見上げることという、高度経済成長期の日本を感じさせる物語である。
若尾文子演じるユウコに、イジワルな本妻とその娘、ユウコを獲り合う、恩師である先生と出会ったサラリーマンの青年のイケメン2人、ユウコの味方になる女中(ミヤコ蝶々)と中学生の弟と、定番の、脇を固めるキャラは揃っている。
そんな中で、若尾文子のチャーミングさが際立っている。中学生の弟と取っ組み合いのケンカをするなど、その危うさがたまらない。
ハッピーエンドで終わることは十分予想できるが、若尾文子の魅力を全面的に見せながら、明るくモヤモヤとしないスッキリとする展開でテンポ良く最後まで走る。
ダメな父親にハッキリと別れを告げる場面も気持ちがイイ。
昭和には、デコちゃん(高峰秀子)に吉永小百合さん、乙羽信子さん、京マチ子さん、そして、若尾文子さん…と俺の琴線に触れる、魅力ある妖艶な女優さんが揃ってるなぁ。
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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。