【古典映画】「近松物語」
溝口健二監督の、1954(昭和29)年の古典映画「近松物語」。
溝口監督が描く古典映画は面白いねぇ。ジジイになってやっとわかる古典の魅力ぢゃよ。
近松門左衛門の作品等を映画化したもので、昔のニ枚目時代劇スターである長谷川一夫と、香川京子、南田洋子らが出演。
半世紀以上も前の作品だが、今も珍しくない不倫の逃避行という破滅の物語だ。
京都の大商人の妻が、旦那の金欲と放蕩に嫌気がさして、そこで働くイケメン職人と成り行きから逃避行、職人が、実は奥様が好きだったと告白するに至って、2人は激しく愛し合うが、結局、2人は捕まって、不義密通の罪で刑場に引かれていくという話。
商家は、不義者を出したということで取り潰しとなる。2人が不倫となったおかげで、全てが破滅して大団円となるのだ。めでたくはないけどね。
江戸時代の理不尽な法や、権力者の傍若無人な所業、女性の貶められた地位等、あからさまな階級社会の様子がわかるが、そんな中で、2人の慈しむ愛の様子は輝きを増す。刑場に引かれていく2人の表情は、死んであの世で一緒になろうと満足気だし。
長谷川一夫演じる職人・茂兵衛の、商家の奥さんに対する献身ぶりが心を打つねぇ。あくまでも身分をわきまえて、自分は一歩下がって奥さんを見守る。奥さんも最初は大商人の妻ということで、それなりの振る舞いをしていたが、茂兵衛の告白を聞いて、激しく女と化す。
他にも、南田洋子はカワイクて可憐だし、旦那の、上にはスリスリして下にはすぐに態度を変えて、カワイイ南田洋子に迫る憎たらしい演技もまた魅せるし、舟で逃げる場面は霧が立ち込めていて幻想的だし、ある意味、品格溢れる日本の叙情美を描く溝口監督は素晴らしいね。
いつの時代も人間の営みは“性愛”がテーマだ。
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