「現代美術」

現代美術とは、言葉(広告・宣伝)が重要なのである。美術があって、それを語る言葉が出てくるのではなく、最初に言葉があって、それに促されて作品が現れてくるのだ。

そして、近代の、まさにコピー時代のアートなのだ。様々な現実世界の対象から、イメージ、形、モード、モデルといったものが取り出され、言葉と共に作品へと変わる。

確かに、あらゆる対象がアートとなる世界で、真にオリジナルなものを創造するのは不可能に近いだろう。現存するものを、コンセプトによって、コピーして、作り変えて、除いて加えて、作品に仕上げるのは、歴史の動きとともに必然のことのように思う。

つまり、対象物の見え方・捉え方、人間がどこまで認識できるのかという問題かもしれない。

対象物をアートとして表すとなると、人によって違いが出てくるだろうが、もしかすると、物の見え方も人それぞれ違っているのかもと考えると、ちょっと不思議だ。

アート表現となると、多分、対象に対し、見えないもの…何かを読み取ったり、感じたりが重要になってくると思うけど、そこに独自性が現れてくるのだろう。それに、その時々の時代や文化によっても違ってくると思う。

現代美術においては、理解困難なもの、“アヴァンギャルド(前衛)”という言葉も欠かせないが、この言葉は、元々、軍隊用語で、攻撃の先陣となる衛兵のことを指すなんて初めて知った。アートの世界では、今ある秩序への反抗を意味してる。

現代美術の中でも、俺が興味を持つのは、やはりアール・ブリュット(生の芸術)、アウトサイダー・アートだ。本能的な衝動だけで創られたもので、文化・文明に影響を受けてない人間の根源的な創造のあり方を示すものであると考えるからだ。これは、作品に根源的なものを求めるアートの動きとは違って、アートに対する批判、反アートの実践でもある。

素人にとって、現代美術におけるアートとアートでないものの線引きは、一見、難しいかもしれない。やはり重要なのは、最初のアーティストの考え(コンセプト)、つまり言葉なのだ。


いいなと思ったら応援しよう!

TOMOKI
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。