【古典邦画】「三大怪獣 地球最大の決戦」

さて、ゴジラ・シリーズ第5作目、「三大怪獣 地球最大の決戦」。同じく本多猪四郎監督と円谷英二特撮監督。1964(昭和39)年の公開。

ゴジラ、ラドン、モスラに加えて、シリーズ最大の悪役、3つの頭部を持つ宇宙怪獣・キングギドラが初登場する。

とにかくキングギドラはメッチャ強いという印象を持っていたが、この映画は俺が生まれた年の公開だから観たことはないけど、多分、後の作品でキングギドラを知ったのだろう。

で、この作品からゴジラは人類を助ける“善玉”として描かれる。

再度、チョココロネのようなモスラ(幼虫)を操る双子の小人としてザ・ピーナッツが登場する。

「007は二度死ぬ」でアキを演じた若林映子が、ある小国の王女だったり、男装の自称・金星人だったり、UFOとの交信を試みる“宇宙円盤クラブ”なる団体が出て来たり、王女暗殺を目論むスパイが登場したり、トンデモ度がさらにアップ。

怪獣同士の戦いから、「ローマの休日」のような王女と刑事のロマンス、007のようなスパイ・アクション、加えて、ここ熊本・阿蘇山が舞台だったり、ごちゃ混ぜ感があって、退屈せずに気軽に面白く観れた。もう原水爆の件はどっかへ行っちゃった(笑)。

ワイヤーで吊ったとしても、よくあんなに見事にキングギドラを動かせるものだね。

キングギドラは、かつて金星の高度な文明を滅ぼしたという設定で、それで金星人の生き残りが地球に警告に来た訳だ。

ザ・ピーナッツを通訳に、モスラ(幼虫)が、地球をキングギドラから守ろうとゴジラとラドンを説得するシーンがあるが、ゴジラが「俺らの知ったことか、勝手にしやがれ」などと、ちょい“べらんめえ”口調だったりして、この擬人化は声を上げて笑う。怪獣同士で鳴き声を通じて意思疎通を図るのだからね。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。