「水木しげるの戦記選集」
まさに本当の戦争漫画は水木先生にしか描けない。
先日、読んだ新書「日本軍兵士」に描かれたそのまんまの世界。
自身のニューギニア戦線・ラバウルに出征した時の過酷な体験。
米軍等の攻撃で左腕を失い、マラリアに罹って高熱が続き、仲間が飢え等で次々と死んでいく中、「ココで死んでたまるか」と出歩いた先で出会った現地の土人(偉大なる土の人)達と仲良くなって(水木先生の人柄だろう)、食料他いろいろと助けてもらって、生き延びた体験が描かれている。
土人達も日本軍に非協力的だった自分達の酋長を3人も殺されてるけど、水木先生は手厚く歓迎されて、一緒に畑仕事をやったりしている。
そして、終戦。水木先生は「意味もなく込み上げてくる笑いを堪えることができなかった」という。土人達と再会を約束して日本に戻る。
戦記漫画を書く時は「わけのわからない怒りが込み上げてくる」という水木先生。“生きて虜囚の辱めを受けず”という戦陣訓を告示した東條英機自身が米軍に捕えられて生きて虜囚の辱めを受け、戦後数多く発覚した外地での日本軍の残虐ぶりに心底、怒ってたのだと思う。
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