【映画】「マー 〜サイコパスの狂気の地下室」
「マー 〜サイコパスの狂気の地下室(Ma)」(2019・米、テイト・テイラー監督)。
地味な黒人の女の子が、高校生の頃、同級生からイジメを受けて深い心の傷となり、サイコパスの大人となって、その同級生の息子や娘に復讐する話だ。
でっぷりとしたドスコイ体型に、異様にデカい眼で睨む表情が、リアルな狂気を感じさせて恐ろしいけど…。
基本、サイコサスペンスなんだか、黒人の女の子をクラスのイケてる男子がパーティで誘って、その気にさせといて、誰もいない教室でフェラさせ、やり遂げて出て来たところを皆で大騒ぎしてからかうという人種差別も感じる胸糞悪いイジメを受ければ、そりゃ一生残る心の傷となってサイコパスにもなるわ。
マーこと主人公スー・アンの狂気よりも彼女自身に同情してしまった。
イジメをする側よりも受けた側は、フラッシュバックのようにいつまでも覚えているものだ。それが理性で抑えられない情緒不安定に陥って、完全に正気を失ってしまうのも理解できないことはない。
20年弱経って、マーはやっと自分をイジメた連中に復讐を遂げたってわけだな。優しい理解ある良い人なんだけど、実は狂気を秘めたサイコパスって設定はよくある話だ。
偶然、ヤンチャな高校生に関わったことで、彼・彼女らが、高校生の時の同級生の子供と知って、自分の家の地下室をパーティ会場として提供する。
高校生にとっては単なる都合の良いおばさんでしかないけど、マーは昔の青春時代を取り戻すかのようにパーティでもはしゃぎ過ぎて、高校生にも引かれてしまう。つまりは可哀そうなくらいにイタいのだ。
大人になっても、夫と別れ、自分の子供は学校に行かせずに2階の部屋に閉じ込めて、高校生の時のイジメから、自らの暗い感情を抑制することが不可能になってしまったマーが、狂気を爆発させるのも、そう遠くなかった。
だが、同情しても、決して共感はできないな。
しかし、この女優さん、演技も存在感もスゲ〜な。
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