「ラムシュタイン:パリ」

ドイツの、インダストリアル・ハードロック・バンド、ラムシュタイン(RAMMSTEIN)の、大盛況のパリでのライブがAmazonプライムで見れた。「ラムシュタイン:パリ(Rammstein: Paris)」(2017年)だ。

ラムシュタインは全員が東ドイツの出身で、いわゆる“ノイエ・ドイチェ・ヘァテ(新ドイツ・ハード)”のバンドである。

ミニストリーとライバッハを合わせたような音で、6人のメンバー全員、50〜60代のオッサンだが、ガタイの良いフロントマンのティル・リンデマンは、叫ぶことはないが、ドイツ語による力強い、硬質のシブい“イイ声”(麒麟の川島みたい)で呻く演説のように唄うのだ。

ルームランナー(?)に乗ってキーボードを弾き、奇妙な動きをするフラケことクリスチャン・ロレンツも気になる。

ラムシュタインといえば、なんといっても、火炎放射器や火薬・花火を大量に使ったパフォーマンスであり、観客を熱狂させる。

そう、ドイツであり、光と火を使った演出、力強い演説のような歌、統率された動きは、ライバッハもそうだが、大衆の熱狂を煽るナチスの党大会のようでもある。

でも、メンバーのなりは煤で汚れた炭鉱労働者のようだ。殺人(?)をテーマにしたり、LGBTQのゲイを支持するような18禁の過激なパフォーマンスもあった。

アンコールも含めて2時間を超えるライブだったが、観客の熱狂を煽る計算されたパフォーマンスで飽きることはなかった。

肝心の音はそんなに過激でもない。静かな曲やダンサブルな曲もある。

とにかく、コストをかけた、統制された大掛かりな演劇を見てるようであって、そこはドイツ人らしいといっていいかも。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。