「私が愛した映画たち」

読む限り、やっぱり小百合さんは真面目で優等生なのだなぁと思う。

デコちゃん(高峰秀子)が一歩引いたところから自分を見ていたのに対し、小百合さんはドップリと自分そのものに浸っていた。

裕福だと思われていた子供時代、父親の事業失敗で毎日の食事にも事欠くくらいに困窮してたことや、その親との確執、あまりにも忙しい映画撮影のストレスで声が出なくなったこと、映画界から逃げるように結婚したこと、晩年になって映画と社会の繋がりについて意識したこと…。

納得がいかなければ、監督にも意見をし、役に成り切って集中する。小百合さんの出演作は約120本だが、映画界では、小百合さんは恵まれなかったように思う。デコちゃんと違って、素晴らしい監督との出会いが少なかった。常々、女・笠智衆になりたいと思ってはいても。

映画会社のお抱えアイドル・スターだったから、お手軽でも、客が入る作品ばかりだったこともあるだろう。

しかし、デコちゃんもそうだが、小百合さんも、親(特に母親)の大きな犠牲となった部分が少なくない。結婚しても子供を作らなかったこともそこに要因があるようだ。

たくさんの共演があった浜田光夫さんについて、「大人になってハメを外し過ぎたのでしょうか。早くに亡くなってしまったのが残念です」とあるが、在命なのだが。ライターが間違えたのだろう。こんな間違いをするなんて…。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。