良い睡眠を邪魔する「NG習慣」
人生100年時代のなかで、健康を「資産」と捉えて、自己資産管理していく必要があります。「健康を管理する」と一口に言っても、一体何を管理すればいいのか。
◼︎睡眠は心身のメンテナンスを行う大切な時間
睡眠時間を平均7時間とすれば、人は一生のうち1/3~1/4は睡眠を取っていることになります。睡眠は日中の疲れを取るための“心身のメンテナンス”を行う大切な時間。
たとえば、24時以降に分泌されるアンチエイジングの成長ホルモン。多くの人は思春期に関係するものと思っている方が多いようですが、このホルモンは成人では代謝の調節や免疫機能、認知機能などに作用しています。
このため、睡眠時間が少なかったり、ズレたりすると代謝の調節がうまくいかず糖尿病になったり、免疫力が低下してかぜをひきやすくなったり、認知症になるリスクが高まってしまいます。
このほかにも、夜間に分泌されるホルモンでメラトニンがあります。これは体内時計を整えるほか、抗酸化作用によるがん細胞の増殖や老化を抑えるという働きがあります。
だからこそ、睡眠を管理することが人生100年時代を生き抜くために、とても重要になってくるのです。
◼︎良い睡眠を手に入れるには
一言で良質な睡眠と言っても、どんな睡眠がいいのかわからないという方も多いでしょう。睡眠時間は長いからいいというわけではありませんし、ショートスリーパーと呼ばれる短い睡眠が悪いわけでもありません。
確かに睡眠を取らないとミスは多くなり、車の運転などにおいても証明されています。
それでは、睡眠時間が十分なドライバー Aと、睡眠時間が2~3時間と短いドライバーB、そしてある時は3時間、週末は寝溜めをし、日によって睡眠時間がまちまちのドライバーCでは、どのドライバーの運転ミスが多いでしょう。一見、睡眠時間の短い Bのドライバーと思いがちですが、実はCのドライバーなのです。ドライバーCには社会的ジェットラグ(時差ボケ)が起こると言われています。つまり、自分で睡眠のコントロールができていないからなのです。
このことからも、睡眠がいかに大切かおわかりいただけるでしょう。
良質な睡眠を手に入れるために、まず現代人が陥りがちな間違いを正していくことが必要です。
【NG習慣】
(1)寝る直前までスマートフォンやテレビを見る(ブルーライトが睡眠の誘発を妨げる(2)寝酒を飲む(一時的に眠くなるが、睡眠サイクルを乱す)
(3)寝る直前の熱い風呂(熱い湯は交感神経を高め、体が興奮状態に)
(4)夕食の食べ過ぎ(消化に時間がかかるため胃腸が活発になり、寝つきが悪くなる)
(5)激しい運動(体が興奮状態になり、なかなか沈静化しない)
【おすすめ習慣】
(1)寝る2時間前には入浴をすませる(体の深部体温が下がる)
(2)食事は寝る2時間前に軽めに(消化活動を考慮する)
(3)必ず布団で眠る(脳と体が睡眠準備に入る)
(4)寝る前に3つの感謝(感謝することは多くのことを成し遂げるエネルギー源に)
(5)4-7-8呼吸法(自律神経を調整することで快眠を促す)
【4-7-8呼吸法(アメリカの医学博士アンドリュー・ワイズ提唱)】
(1)口から息を吐き切る。
(2)4秒かけて鼻から息を吸い込む。
(3)7秒息を止める。
(4)8秒かけてゆっくり口から息を吐き出す
ぜひ、試してみてください。