書評#1 シャンタラム
旅の最中、たくさんの本を読みました。
普段の生活ではビジネス書とか実用書ばかり読んでましたが、旅はもっぱら小説になりがち。
旅をしている最中、インドで出会った韓国人のキム、ウクライナで出会ったウクライナ人女性が「人生で一番記憶に残っている本」として僕にお勧めしてくれたのご、このシャンタラムという本でした。
洋書だと相当分厚く、全部英語で読む自信はない。(キンドルで購入しましたが、やはり英語が辛かった)
邦訳も出ていることを知って、いつか読もうとずっと思ってました。
旅から帰ってきて、上中下の3巻セットをまとめて購入したものの、上を読み始めて数ページ、、、
何だか表現がくどいなって感じて、本を閉じて本棚に戻してしまった。
それから約2年、ずっと敬遠していたのですが、今回このコロナ騒動を機に時間も生まれたので、改めて読んでみることを決意しました。
というのも自分は長編小説を読むのが苦手で。
途中でダレてきちゃうと読むのを中断しちゃう。
で、再度読み直したらストーリー忘れてて、読まない。みたいなことがよくあって。
そうならないように、一気に読める時間が欲しかった。
そして4月から読み始めて、約4ヶ月かけて読み切りました!
読んだのは毎日30分ほど。半身浴の時間を使って読んだ。
数日連続で読まなかった日もあるけど、できるだけ毎日読んだ。
こんな風に書くと、頑張って読み切ったって感じですが、面白くて毎日手にとった、ってほうが正解ですかね。
前回くどいと感じた表現も、今回はすっと受け入れられた。
やはり、読書ってタイミングだなって思いますね。
そうして読んでみると、邦訳なので著者というよりは訳者の力も大きいのですが、表現力が本当にすごい本です。
比喩の方法とか、情景描写が非常に想像性を掻き立てるような書き方をしていて、一文、一文、詩のような文章でした。
それでいて、ストーリーも面白い。
舞台はインドのムンバイ。
主人公はオーストラリアの監獄を脱獄したオーストラリア人。
ムンバイまでたどり着いた主人公が、マフィアの幹部にまでなる物語。
これがノンフィクションということに衝撃を受けます。
僕はフィクションより俄然ノンフィクション派です。
本当にこんなことがあったんだと想像しながら読めるので非常に面白かったですね。
僕自身インドが大好きなので、それも評価に大きく影響していますが。
でも、そういった要素を抜きにしても、主人公が経験する様々な出来事や(ネタバレになるので書きませんが)、そこで出会う人々との交流、会話も普通に楽しく読めます。
長編なので、読み切るのに時間はかかりますが、こういったノンフィクション作品が心に残っているだけで、例えば自分が窮地に陥った時、あの主人公ならどうしただろうか、など考え、行動のヒントになるかなとも思います。
小説を読むのが遅い僕でも、1日30分、4ヶ月で読みきれたので、読むのが早い方であればもっとサクッと読めちゃうかもしれません。
今のインドは彼が住んでいた時とはまた変わっているし、彼は基本的にマフィアの立ち位置で話が進むので、「観光客が体験するインド」とはまた違ったインドの一面を見れるのも面白いポイントです。
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